一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

87 育てたように子は育つ

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子どもを育てるということ

相田みつを氏の有名な言葉です。

子育てしている時はあまり実感がわかず、この言葉を信じて子育てしてきた今、この言葉の意味がとても良くわかります。

 

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子育ての本は何冊もありますが、私はこの本をバイブルにしてきましたし、今後もずっとバイブルになると思います。

短い言葉の中に、真実があるのです。

 

子を持つと、誰もが初めて親になるのですから、わからないことばかりです。先は霧の中、道を探しながら歩くようなものです。

子供を育てていると思っていると、実は親が育てられているのです。

 

これはもしかしたら親を試しているの?と思う場面に何度も出くわします。

それはまさに私は人として、どうありたいのか?と問われているのだと感じました。

子育てとは、自立した人間を社会に送りだすことだとすると、社会に出すにあたって、最低どういう人間になってほしいか?ということだと思うのです。

 

親の言葉だったり、行動だったりを子供が受け止めながら、段々と大人に成長していくわけですが、最初は親の考え方がまず子どもに伝わります。

その後、子どもは社会の中で自分というものを確立していくのです。

反面教師になることだってあるでしょう。

もちろん順調に行くとは限りません。

山あり、谷あり、子供は苦しみながら、自己を確立していくのです。

挫折も成功もみんな自己を確立するためには必要なものです。

 

子供が苦しんでいる姿を見るのはつらいです。

助け舟を出したくなります。

自分のことも思うように行かないのに、子育てが思うように行くわけがありません。

 

そもそも思うように行くことなんて、世の中にはないのです。

だから、育てたように子は育つのです。

決して、育てたいように子は育つわけではないのです。

 

この言葉は、子育てという先の見えない道を歩いた親しか感じることができない感覚なのかもしれません。

 

こう育てれば、東大に合格できる!

と言った本がたくさんありますが、東大に合格させるための子育ての仕方は書いてあるでしょうが、その後どういう人間になるのかは書いてないと思います。

東大合格がゴールではないことはみんなが知っていることです。

それよりも、困難にめげず、うそをつかず、人にやさしく、コミュニケーション能力があり、誰からも好かれ、知恵を働かせることができる、人間性豊かな人に育てるほうがずっと難しいかもしれません。

 

子どもはいつも親の期待に応えようとします。

言葉でいわなくとも感じるものです。

過度な要求を突きつければ、子どもはすベてを受け止めることができずに、沈没してしまいます。

子ども自身が気づくことが一番です。

気づけば1人で成長していきます。

それには親が過度な期待をしない方がいいのかもしれません。

 

私は自分が子どもに伝えることができるのは10歳くらいまでだと思っています。

早い子は10歳くらいで自我に目覚めると思います。

思春期が始まるということです。

思春期は自己を確立するための期間ですから、それが短いか、長いかはその子によると思います。

この時期は1回自分を壊す時期だと思うのです。

そして本当の自分という新しい自己を確立していくのです。

 

では親は子供の思春期に何もできないのか?

子どものとって本当に親が必要なのがこの時期なのではないでしょうか?

助け舟は出せないかもしれませんが、子供から目を話してはいけない時期です。見守りです。

子どもが傷つくと大人はわかっていても、傷つく前にそれを回避してしまうことはしてはいけないのです。

もちろん生命が危険と感じたときは手を出さなければいけませんが・・・。

親として一番つらい時期ですが、子どもの成長を見守る暖かさが必要です。

傷ついたときはいつでも戻ってきていいんだよ、と言う雰囲気を作っておくこと、傷ついた時は何も言わずにご飯を食べさせてあげて、温かい寝床を提供してあげること。

これくらいしか親が子供にしてあげられることはないのではないでしょうか?

私はいつもあなたの見方ですよ、と思ってもらうことが大事だと思います。

 

子育てを通して、親が成長するのです。

子ども達が私たちを親にしてくれるのです。

私は生まれたばかりの小鹿が生まれてすぐによろよろしながら自立するのを見るたびに、子供が自己を確立して成長した姿を思い浮かべます。

涙が出るほどうれしいものです。

子育ての醍醐味はここにあると思います。

 

そして 「育てたようにこの子は育った」 と思うのです。

 

少子化で子どもの出生率が年々低下していますが、人間は地球上の他の生物と同じで、子孫を絶やさないために進化し続けています。

大きな目で見ると、現在は人口が増えすぎたための反動が出ているのかもしれません。

でも子育ては絶対になくならないでしょう。

子供が少ないとどうしても過保護になりがちですが、人間の成長には何が必要なのかを考えながら子育てしていきましょう。

 

では明日も1日前向きに!!