一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

36 人を育てる

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先日、TV番組で、バレーボールの元全日本代表、益子直美さんが「怒らない指導」の普及を目指していると知りました。

益子さんは高校、実業団でエースアタッカーとして活躍し、全日本代表にも選出されましたが、1992年、25歳の若さで現役を引退しました。

輝かしいキャリアとは裏腹に、本人は「バレーボールが嫌いで早く引退したかった」そうです。

このことを知り、人を育てることの難しさを改めて考えたいと思いました。

 

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怒ると叱るの違い

 

私も中学から大学卒業まで体育会系でしたので、体罰を受けたこともありますし、罵声を浴びせられた経験もあります。幸い、私は益子さんのように全日本になるような才能もありませんでしたから、そこまで厳しくされなかったためか、心の病に苦しめられることもありませんでした。

どちらかと言うと、叱られるたびに「なにくそ~」と思う性格でした。

 

「怒る」は自分の感情をぶつけること。

「叱る」は相手へのアドバイス

 

みんな頭ではわかっていることですよね。

昔は体罰もありましたが、今は禁止されています。

指導者も生身の人間ですから、感情があります。

が、指導者と呼ばれる人は、感情を表に出さないよう(喜びは出していいと思うのですが・・・)、しっかり自分を律することのできる人にならなくてはいけないと思います。

益子さんのように、一生心の傷を抱えながら生きていかなくてはならない人を作ってはいけないと思います。

ましてや、「バレーボールが嫌いで早く引退したかった」と思わせてはいけませんよね。

 

子育て

人を育てるのは、子育ても、会社の部下も一緒ですよね。

その人にやる気を起こさせ、自信を付けさせ、前に向かって1人で歩いて行くことができるようにすることですよね。

 

私も子育てについては反省することばかりです。

怒ったり、傷つけたり、指導者ではないので、その勉強もせずにいきなり親になったのですから・・・。

 

子育ては、人育てです。

 

叱ったほうがいい子、やさしく褒めた方がいい子、いろいろいますが、赤ちゃんの時からそんなことはわかりません。

私が子どものころは親に褒められる方が少なかったと思います。

親同士の話は、うちの子は○○がダメで困っているのよ。○○ちゃんは○○が上手でうらやましい。

と言った話が飛び交っていたような気がします。

今考えれば、自分の子を褒めるなんて、できるわけないでしょ!みんなとの輪が保てなくなる。と親は言ったに違いありません。

 

私の子が幼稚園に通っていた頃から、親同士の話の内容が変わってきたように感じました。

 

うちの子はこんなことができて偉いのよ!うちの子はこういう理由でこういう行動を取ったのよ。などなど

 

どうも子供を褒めてばかりいるような・・・・

褒めれば、自分を肯定(自己肯定感)し、自信がつくと思います。

が、周りには褒めてくれる人ばかりいるとは限りません。

否定されたり、罵声を浴びせかけられたり、悪口を言われたり・・・

そんな時に心が折れないためにも、心を強くするための訓練が必要で、

それを教えるのも親の役目であると思うのです。

 

子育ては、自分の育てられた親の影響が強いようです。親と同じ方法を取るか、親を反面教師にするか。

子育て中は不安ですし、自信もありませんから、ついつい周りに流されてしまうことも多々あります。

でも大事なことは、子どもに愛情を持って、どんな子供になってもらいたいかを常に深く考えることだと思います。

そして一番大事なのは、どんなことがあっても笑顔でいること、基本は絶対にブレないことだと思います。

子どもの脳神経は10歳である程度完成されますので、それまでに親がしなければならないことがあるでしょう。

10歳までに親の価値観は植えつけられるのではないでしょうか。

 

それ以降は子供が自分のアイデンティティーを確立する時期になるので、子供がもがき苦しむ時期です。親は見守るしかないですね。

 

それまでに自分で考えるという作業をさせ、子供が自立できるよう基盤を作ることが親の役目ではないでしょうか?

 

人を育てるということは面白いし、その人が自立して、自分の足で歩き始める瞬間の醍醐味は、感動以外の何物でもありません。

 

育てたように子は育つ

 

相田みつおさんのことばです。

子育てしてみて、本当にこう思います。

自分が育てた結果、こうなったのです。

 

山本五十六連合艦隊司令長官の有名な言葉があります。

 

やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 

ずいぶん昔の言葉が、今でも通用しているのですから、文明は進歩しても、人間はやっぱり変わらないのですね。

 

私はむっくり立ち上がって、天を指さして自分の道を歩もうとする瞬間を見るのが大好きです。

 

まさに「天を衝け」です。

映画、「風と共に去りぬ」のラストシーン、未来に向かって立つスカーレット・オハラに扮するビビアン・リーの姿が忘れられません。

 

では今日も1日前向きに!!