一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

64 適者生存

f:id:aoi_fukurou:20210922091022j:plain

 

種の起源

チャールズ・ダーウィンが「種の起源」の中で、

「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ」

と言っています。

 

mindsetsalon.net

 

また、ハーバート・スペンサー(イギリスの哲学者)の造語で、適者生存又は再適者生存

という言葉の方がわかりやすいと言われています。

「《survival of the fittest》生存競争で環境に最も適したものだけが生き残って子孫を残しうる」

 

「いかなる環境にあっても、その環境に適応していくこと」が、人間の「進化」であり、そして、いつも「他者と、自分以外のすべてのものと、支えあうこと」こそ、自己が進化して、生き残ることである、といっているのではないでしょうか。

 

私は長い間生きてきましたが、最近の約30年間の身の周りの環境変化の速さは、その前とは比べ物にならないと思っています。

環境に合わせることが得意で、好んでする私ですが、この30年の変化にはずいぶん苦労しています。

パーソナルコンピューター(PCApple IIが1978年発売され、携帯電話がこの世に出たのが1987年です。

PCを自分で使い始めたのが1980年くらいで、携帯電話はメールが使えるようになった1997年くらいからです。こんなに便利なものがあるのか?と驚きでした。

初めは使い方が良くわからずに取扱説明書やお店で教えてもらったりしましたが、段々と慣れてきたと思うと、次々に便利なものが登場してきました。

子どもたちは生まれた時からこれらがあったのですから、説明しないでもすいすい使いこなしてしまいます。

マニュアルオートマチックという比較がありますが、この子どもたちはマニュアルを知らずに、最初からオートマチックで本当にいいの?と心配した時期もありましたが、今ではそんなことを心配する暇もないほど、どんどん進化しています。

 

PCも携帯もない生活だってできるし、その方が楽しい!!という人もいますが、やはり社会は、これらがあるのを基本として変化していくのだと思います。

高齢者がいろいろな手続きに困っているのも、どんどんこれらを基本として社会が変わってきているからです。

㊽のオードリー・タン氏の話の中に、高齢者が使えないAIではダメだ!と言っていますが、

高齢者にとってAIの概念がないので、これはかなり困難なのではないかと思います。

ですが、実現しなくてはならない課題ですね。

スマホを持たない生活は、考えられなくなってくるのだと思います。

 

これらが生まれた時から存在していた年代の人たちには、高齢者がなぜわからないのだろう?と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。

高齢者の代弁をさせてもらうと、高齢者は、紙が好きだし、窓口や電話が好きです。

スマホのあんなに小さい画面で、良く文章が読めるものだと思っています。

相手の顔も知らないで、信用しろ!と言うのが無理なんです。

 

私は若い人達から教えてもらうことで、学んできましたし、たくさん失敗もしてきましたが、

この途中で、ダーウィンやスペンサーの言葉を思い出していました。

 

環境の変化について行こう!適応する努力をしよう!

 

そこにこのコロナ禍です。

おうち時間が多くなり、PCやスマホを使う機会もグンと多くなりました。

買い物に出るのは最小限の時間で。

ほとんどのものはPCで買うようにしています。

昔は配達してもらうと日時や時間を決めなくてはならず面倒でしたが、今は家にいる時間が増えたので、楽になりました。

また置き配なるものが登場し、益々便利になっています。

こんなに便利になって大丈夫?

とまたマニュアル好きの高齢者は、つい考えてしまうのです。

SDGsな社会を目指して、料理は自分で作りましょう!!

と言いたいところですが、飲食店の方々のことを考えると、複雑です。

 

まだまだ環境の変化に適応するまでには至っていませんが、もともと機械や電気が大好きだったので、何とかここまで来ましたが、今後はさらに変化が加速すると思われますので、認知症になんてなってはいられませんね!!

 

では今日も1日前向きに!!

63 里親制度を知る

f:id:aoi_fukurou:20210918231950j:plain

 

里親制度の種類

里親とは、さまざまな事情により自分の家族と暮らすことができない子供を、一時的または継続的に預かり、育てる人のことです。

 

養育里親:養育里親は原則として0歳~18歳まで(進学しなかった場合は中学卒業まで)の要保護児童を一定期間養育する里親です。必要な場合には、20歳未満まで措置延長できることとされています。

※地域によって呼び方や仕組みが異なります。東京都では「養育家庭」と呼ぶそうです。

専門里親:虐待を受けた子ども、非行の問題を有する子ども、知的・身体・精神に障がいがある子どもで、専門里親として委託することが適当だと認められる時に養育します。別途要件や研修があります。)

f:id:aoi_fukurou:20210918233241p:plain

 

特別養子縁組里親:原則15歳未満の養子となるお子さんの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です。

f:id:aoi_fukurou:20210918233303p:plain

 

季節/週末里親:子どもをずっと育てるのは難しいけど、お正月や長期休みの、週末などに数日~1週間程度、子どもを家に迎える里親です。

f:id:aoi_fukurou:20210918233408p:plain

 

fosteringmark.com

npojcsa.com

www.nippon-foundation.or.jp

 

f:id:aoi_fukurou:20210918233542p:plain 

里親手当 (月額)

1人目 / 8万6000円

2人目以降 / 4万3000円

 

f:id:aoi_fukurou:20210918233600p:plain

生活費 (月額)

乳児 / 5万8570円 

乳児以外 / 5万800円

                   

医療費も教育費も支給されるから安心!

 

里親委託で一番必要なのが、子育て経験よりも愛です。

里親委託に必要な知識は研修で身につけることができます。

特別な資格不要・借家でもOK・共働きOK・いつでもサポートしてくれます。

 

手続きはこのように進みます。

STEP1相談児童相談所に相談します。 里親制度について詳しく説明してもらう。

STEP2研修・家庭訪問:里親制度や子どもの権利擁護について学び、乳児院などで実習も行います。

STEP3登録都道府県の審査を経て、里親登録となります。

STEP4子どもとの出会い:子どもの紹介を受けて面会し、外出や数日間の宿泊などで交流します。

GOAL里親委託

 

日本における要保護児童のうち里親委託児童の占める割合は12%とお世辞にも高い割合とはいえない状況です。

その一方で、諸外国の割合は50%から80と半数以上が里親委託によるものです。 同様に日本の特別養子縁組の成立割合も諸外国と比較するとあまり高くありません。2021/02/13

 

なぜ日本は諸外国に比べて少ないのでしょう?

 

  1. 制度を知ってもらうための努力が足りない。認知度が低い。
  2. 親権よりも子ども権利が弱い
  3. 社会的養育(家庭的養育と施設養育)のもとにある子どもの絶対数が多いためその分解決すべき課題が多数あること、虐待件数が非常に増えていることもあり全国的に見ても社会的養育に関しての取り組みが遅れている
  4. 「実親の承諾」が得にくい。自分では育てられない、でも子どもを手放すのはイヤといった理由が考えられます。

 

日本で里親の制度が始まったのは、1948年(昭和23年)10月4日のこと。

それを記念してこの日を「里親の日」とし、10月、11月を「里親月間」と定めて、さまざまなイベントが開かれるようになりました。

その中で注目したいのが、各自治体が開いている養育里親の「体験発表会」です。

この発表会では、実際に里親を経験された方のリアルな話を聞くことができます。

どのような思いで里親になったのか、初めて里子と会ったときの気持ち、家庭に入ってきてからの子どもの成長、感謝されたときの喜びなど。

辛いこと、苦しいこと、それに勝る楽しいこと、嬉しいことなど、里親としての悲喜こもごもを実体験にもとづいて語ってくださいます。

 

赤毛のアン」を読んだ方も多いと思いますが、欧米では孤児院から農家や商家が働き手として子どもを引き取ることは普通のことでした。

キリスト教の隣人愛や子どもは神からの預かりものという信仰のもと、子どものいない里親は子どもを労働力として引き取り、相性や条件が揃えば養子にするのが普通でした。

日本も戦前や戦後の一時期、戦災孤児があふれた頃は、里親が多くの行き場のない孤児を救いました。

 

不幸な事情から児童養護施設に入っている子どもも、皆将来、健全に育って社会の一員として活躍してほしいと思っています。

そのためにも、普通の家庭のように、心身傷ついた子どもは安定して依存欲求が満たされることが必要です。

施設では保育士や相談員を24時間、1ケ月、1年独占することはできないのですから。

 

私は日ごろから、10歳までの教育が大事だと思っているのですが、それは親の愛情です。

生まれてくる子どもに罪はありません。親の愛情のもとで、安心して生活ができることが健全な人間を作るうえで最も大切だと思っています。

 

親のほうも子どもによって成長させられます。

一人でも不幸な子どもを作らないために、この里親制度を良く理解し、勇気をもって里親になりましょう。

生みの親を忘れることはできないでしょうが、育ての親との笑ったり、泣いたり、怒ったりした日々は決して消えることのないお互いの歴史です。絆です。

 

www.pref.osaka.lg.jp

 

では今日も1日前向きに!!

 

62 壺に何を入れるか?

f:id:aoi_fukurou:20210915070122j:plain

 

壺と岩の話

昨年インターネット上で、結構話題になった文だそうです。

作者不在だそうですが・・・。

 

ひろゆき氏の「1%の努力」という本を読み、この話を知りましたが、長年生きてきた私にとっても新鮮な素晴らしい人生訓だと思いました。

知っている方も多いと思いますが、まずは読んでみてください。

 

www.myprivatecomedy.net

 

「さあ、クイズの時間だ!」

大学教授は、そう言って大きな壺を取り出し、教壇に置いた。

その壺に、彼は一つ一つ石を詰めた。壺が一杯になるまで石を詰めて、彼は学生に聞いた。

「この壺は満杯か?」

教室中の学生が「はい」と答えた。

「本当に?」

そう言いながら教授は、教壇の下からバケツ一杯の砂利を取り出した。

そして砂利を壺の中に流し込み、壺を振りながら、石と石の間を砂利で埋めていく。

そしてもう一度聞いた。

「この壺は満杯か?」

学生は答えられない。一人の生徒が「多分違うだろう」と答えた。

教授は「そうだ」と笑い、今度は教壇の陰から砂の入ったバケツを取り出した。

それを石と砂利の隙間に流し込んだ後、三度目の質問を投げかけた。

「この壺はこれで一杯になったのか?」

学生は声を揃えて、「いいや」と答えた。

教授は水差しを取り出し、壺の縁までなみなみと水を注いだ。彼は学生に最後の質問を投げかける。

「僕が何を言いたいのかわかるだろうか?」

一人の学生が手を挙げた。

「どんなにスケジュールが厳しい時でも、最大限の努力をすれば、いつでも予定を詰め込む事は可能だということです」

「それは違う。」と教授は言った。

「重要なポイントはそこにはないんだよ。この例が私達に示してくれる真実は、大きな石を先に入れない限り、それが入る余地はその後二度とないということなんだ。」

君たちの人生にとって”大きな石”とは何だろう、と教授は話し始める。

「それは、仕事であったり、志であったり、自分の夢であったり……」

「ここで言う“大きな石”とは、君たちにとって一番大事なものだ。それを最初に壺の中に入れなさい。さもないと、君たちはそれを永遠に失う事になる。もし君たちが小さな砂利や砂や、つまり自分にとって重要性の低いものから自分の壺を満たしたならば、君達の人生は重要でない何かに満たされたものになるだろう。」

「そして大きな石、つまり自分にとって一番大事なものに割く時間を失い、その結果、それ自体を失うだろう。」

 

これを読んで、自分が考えていたこともこの話で理解できると感じました。

この話は、生きていく中の優先順位の話です。

 

ちなみに、ひろゆき氏の大きな岩は「睡眠」だそうです。

私も同感ですが、私は「人を愛する心」が1位です。

どんな人でも愛することができると信じていますので、来るものは拒まず去るものは追わず、Do not refuse those who come。

 

仕事を選ぶとき、結婚するとき、子供を育てる時、人生にはいろいろなイベントがあります。

その際、自分で決断をしなくてはならないのですが、その時、自分にとって今、何がもっとも大切なのか?を考えることに置き換えてもいいと思います。

あれもこれも、ではなく1つです。

 

大学に入るとき、今勉強をしっかりすることで一生食べていける職業を持つことが優先順位の1位でした。私の選んだ職業は薬剤師です。

結婚して子供を産みたい!が優先順位1位で、結婚相手に求める条件は1つ、自分が楽しめる人生を一緒に送れる人でした。

決して他人にはお勧めできませんが・・・。

それには男性を見る目が必要ですが、それはそれまでの生活でたくさんの事を経験し、いろいろな人に出会うことで培われました。

子育て中は、子供がどんな大人になってもらいたいか?を考えることが優先順位1位でした。

誰に聞いてもわからない子育てですから、自分がその目標を見失うことがなければいいと思っていました。

あまり細かい目標(いい学校に入ってもらいたい、成績優秀でいてほしい、など)を持ちすぎると、思い通りにならない時に悩んでしまいますからね。

 

人生ノリで行こう!という考え方もありますが、成功するかどうかは半々です。

それに引き換え、この話は、ある意味100%成功します。

ある意味と言ったのは、たとえ思うようにならなくても(成功しなくても)自分がその時考えて最善の道を選んだわけですから、後悔するはずがありません。

 

大きな岩を見つけるのは、そう簡単なことではありません。

一端壺の中に入れてしまったら、取り出すことができないものです。

その後の小さな石、砂、水は大きな岩を見つけたことによって必ず見つかるものだと思います。

 

この話は本当に良い話です。

良く考える、私の好きな内省(自分の心の内を見る:内観)を常にすることです。

 

www.cydas.com

 

 

そうすれば、自分というものが良くわかってきます。

自分は何が得意で、何が不得意か?

コツコツ努力型なのか、一気にする一発屋?なのか。

イデアがあふれる出るタイプなのか、誰かのアイデアを膨らませるタイプなのか。

人と会うのが好きなのか、ひとりでいたいのか。

 

仕事を選択する際にも役に立ちますし、人生あらゆる場面に、自分を知っていることが武器になるかもしれません。それには内省を繰り返しながら、いろいろな経験を積むことです。

内省には経験が大切です。

こうすればこうなる!と頭ではわかっていても、それを行動に移して初めて本当にわかるからです。

 

行動することは本当に大事です。

勇気を持って、行動してください。

 

あなたは壺に何を入れますか?

 

では、今日も一日前向きに!!

61 薬剤師あるある(7)

f:id:aoi_fukurou:20210912080644j:plain

 

医原病

コロナ収束の基準を決められない日本社会の「医原病」的症状という記事(金沢大教授 仲正昌樹)を読み、昔、「医原病」の本を読んだことを思い出しました。

 

diamond.jp

 

医原病とは?

 

日本国語大辞典によると、自然発生的な病気に対して、医師の過剰治療、医療過誤、または、治療の合併症として生ずる病気。

キノフォルム剤の過剰投与によるスモン病、薬の中毒によって起こる肝障害など。

 

世界大百科事典によると、本来,医師の言動に対する患者の心理的反応(誤解,自己暗示など)によって起こる疾患をさすが,現在は,広く医療行為が原因となって不可抗力的に発生する傷病のすべてを包括する言葉として使われる。

医療の組織化が進行しつつある今日,医師・患者間の心理的な関係(相互作用)はますます複雑で微妙なものとなってきた。

自覚症状のある人々(患者)は心身の異常を心配し,ときには恐怖感にかられて医師に近づくことが普通である。

 

ブリタニカ大百科事典によると、医原性疾患ともいう。

この概念を最初に医学に導入した A.ハースト (1922) は,医師の検査,態度,説明などに起因する,患者の自己暗示によって起った病気と定義している。

しかし現代では,こうした医原性神経症にとどまらず,患者に施した医療が不適当であったり,薬剤などの副作用のために起る疾患も含めて考えられている。

抗生物質の長期にわたる大量投与よって引起された菌交代現象はその代表的なもの。

 

医師や看護師の医療行為・医療過誤という概念から、医療そのものが健康を害する、特に専門家が医療をコントロールすることによって増悪する病という概念にまで広がってきています。

「医原病」という言葉は、1970年代にイヴァン・イリイチ(イリッチ)という哲学者により提唱されました。

 

学校、交通、医療といった社会的サービスの根幹に、道具的な権力、専門家権力を見て、過剰な効率性を追い求めるがあまり人間の自立、自律を喪失させる現代文明を批判

それらから離れて地に足を下ろした生き方を模索した哲学者です。

 

医原病は下記の4つに分けて考えることができるといっています。

 

  • 臨床的医原病

これがいわゆる「医原病」で、医療過誤など、医薬品の副作用や手術ミスや検査にともなう過誤等や、社会的集団的に発生する不可逆な健康被害である薬害、治療を受けたが故に生じた患者側のデメリット全てが含まれる。治療の結果、原疾患による後遺症が生じた例はこれに当てはまらない。

 

  • 社会的医原病

  今日の医療社会学や医療人類学の用語でいう「医療化」(Medicalizationを指し、医療の対象が拡大していくことを指す。かつては自宅で身近に触れ得た死や出産が病院に囲いこまれていき、自然な過程であるはずの老化も医療の対象とされていき、老人にまで降圧剤治療が行われるようになるなど、現代社会においては、資本主義下の医療のキャラナライゼーション、過剰医療をも意味することになる。

 

  • 文化的医原病

   医療の対象拡大が人々の思考を無意識に支配するようになった結果、自分の身体、自分の健康にも関わらず主体性を失い、人々がその管理に関して無関心・無責任となり、医師に全面的に任せて平気となる=思考停止し怪しまなくなってしまっている状態を指す。医師による「専門家支配」(Professional Dominance)・パターナリズム医療の所産でもあり、端的に言えば、日本で見られる、いわゆる「お任せ医療」状態のことである。

 

  • 電子的医原病

近年、電子カルテの普及と伴い、コンピューターをハッキングすることにより、医療検査データなどが匠な方法で改ざんされ、患者の個人データおよび生命に重大な影響をきたすことが懸念されている。

 

「医原病」近藤 誠著の中に、

医者と医療情報への妄信と過剰な期待が悲劇を生む!!

健診は健康のためにならず、予防接種は障害をもたらす。

医療にかかわると元気な人でも病気になってしまう。権威や厚生省の言葉をうのみにするのは、もうやめよう!

 

bookclub.kodansha.co.jp

 

先の金沢大教授 仲正昌樹氏によれば、

現代の日本人の問題なのは、自分は今現在「健康」なのか、この程度の痛みや不安であれば、耐えていけるので、(医者の助言に逆らったとしても)自分でどうにかしよう、それで取り返しのつかないことになったとしても自分の責任だ、などと考える自己決定能力が育っていない、むしろ欠如しつつあることだ。

最も肝心の「私は『健康』かどうか」、「健康維持のためにどの程度の予防をすべきか」といった自己決定がないがしろにされ、専門家に任せるべき、という風潮が社会全体で強まっていることである。

 

正しい知識を持って、自分で自分の健康に責任を持つ。

なかなかできないことではありますが、医療従事者がもっと正しい知識を一般の人に教えるべきだと思います。

 

今日も1日前向きに!

 

60 新型コロナ変異株を制圧するのは?

f:id:aoi_fukurou:20210908083135j:plain

 

広東省5.21感染

中国の深圳市と東莞市に求められていた省外移動に必要な「48時間以内PCR検査陰性証明」が7月6日に不要となった。

これにより、5月21日に広州市深セン市で新型コロナウイルス感染者が確認されて以降、約1カ月半にわたって続いていた広東省内の防疫措置が全て解除された。

 

経緯は次の通りです。

 

          

濃厚接触者26人を特定して集中隔離を行うとともに、感染者が居住する荔湾区を中心に、8万人を超える住民を対象として一斉PCR検査を行った

翌22日に荔湾区の関連エリアを「中リスク」地域に指定。

26日には感染拡大がみられる荔湾区全域と感染者が確認された越秀区と海珠区の該当地域の全住民に対し、一斉PCR検査を実施するなど、検査、隔離が徹底して実行された

 

29日には、荔湾区全域で店内飲食と生活に必要不可欠ではない活動を禁止。

一方で、隣接する佛山市で3人の感染者が確認された。

31日に広州市から省外に移動する者に「グリーン健康コード」と72時間以内のPCR検査陰性証明の提示を義務付ける移動制限を開始した。

 

  • 同日、深圳市では塩田港の貨物作業員のアルファ株への感染が確認された。

          

輸出コンテナの受け入れを一時停止した。しかし、感染が主に港周辺地域に限られていたこと、感染者もほぼ作業員の関係者だったことなどから、感染を囲い込むことができた。

 

グリーン健康コード:48時間および72時間以内PCR検査陰性を示す健康コード

 

f:id:aoi_fukurou:20210908083303p:plain

 

イエローコード感染者が滞在したことがある地域に行った人の健康コード

 

f:id:aoi_fukurou:20210908083324p:plain

 

www.jetro.go.jp

 

強権で制圧した方法についてはいろいろな意見、メリットとデメリットがあると思われますが、この革新的で科学的な感染拡大抑制策は成果を上げたことは確かだと思います。

政府は以下の5点を挙げています。

 

  • 感染源の早期特定と感染ルートの解明

感染者確認の報告を受けた当日午後に感染源を特定できた。また、全症例で遺伝子解析した(国内で初めての対応)結果、全件が第1感染者由来であることが判明。

感染ルートも特定でき、感染の傾向とどのように防疫措置を取ればよいかを非常に明確なデータによって判断ができた。

 

  • 「濃厚接触者」定義の厳格化

デルタ株は濃厚接触者の概念を変えた。

デルタ株はウイルス量が多く、感染者のウイルス濃度も高いため感染力が強い。

以前は発症前2日間に接触歴のある家族や職場の同僚で、感染者と1メートル以内で一緒に食事や会議をした人が濃厚接触者だった。

しかし、デルタ株では発症前4日間に、同一空間、職場、建物にいた者の全てを濃厚接触として、封鎖式管理や抑制管理など異なる必要な措置を取った。

 

ビックデータを活用し、感染者が滞在したことがある地域に行った人の健康コード「イエローコード」を付与。

あわせて24時間以内のPCR検査を求めるとともに、その後の3日間に2回、7日間に3回といった頻度でPCR検査を実施。

これらによって、感染者を特定した上で、拡散を防止した。

こうした措置は、公安部門との緊密な連携により実現できた。措置の結果として、5月21日を発端とする感染症例167例(6月24日時点、広州のほか佛山、茂名などで感染が確認)のうち、無症状の53例を事前に発見することができた。

 

  • 省外への移動制限策

省外への感染拡大を防ぐため、移動制限策として検査時間72時間内のPCR検査陰性証明の所持を義務化。その後、48時間内に強化した。

 

  • 封鎖・抑制管理エリアでの動物モニタリング実施

封鎖・抑制エリアの動物に対し、変異株が人から動物に、または動物から人に感染するかを実証するため、モニタリングした。

感染が広がった茘湾区西関一帯は広州の旧市街地で、ネズミが特に多いことから住民も猫を好んで飼っている。

国外の実験では、変異株は猫に感染することが証明された例がある。

広州でもネズミ30匹余りにPCR検査を実施した(結果は全て陰性)。

検査は猫や犬も対象とし、考えられる全ての感染源を見つける努力をしている。

 

この革新的で科学的な感染拡大抑制策などを通じて「効果的な管理(中国語で「有効控制』)」を行い、1カ月での感染抑制という初期目標を達成できたのですが、これで分かった、今後重視すべきこと、いわば教訓が3つあると鐘南山氏は指摘しています。

 

  • 病院の発熱外来の感染予防強化

デルタ株は感染力が強いため、これまでの発熱外来の防疫体制では十分でない。

特に大都市の病院では発熱外来病棟と他病棟との間隔を20メートル以上空けることは難しい。仮に物理的遮断が強化できないとしたら、(1)陰圧かつ窓なしにする、(2)できるだけ独立した場所を選び、とくに風下に注意する、(3)通常外来と発熱外来の出入り口を別にする、などの対応をする必要がある。

 

  • ホテルでの集中隔離の見直し

隔離先として利用されるホテルには、隔離に必要な条件を満たしていないところがあるのも現実だ。そのため、専用施設を設けて隔離すべき。

 

  • 効果的な管理

これまで感染者ゼロを目指す、いわゆるゼロ戦略」が取られてきただけに誤解を招きかねない。

感染者や感染ルートが特定できているエリア内で時折1~2人の感染者が発生したとしても「効果的な管理」下にあるとの見解を示した。

同時に、管理下にないエリアで感染者が発生した場合は、高度な警戒が必要で、これまでのゼロ戦略」よりも、感染者や感染ルートを特定する「把握」ができているか否かが「効果的な管理」としてより重要だ。

 

こうして抑え込みに成功した中国は更なる手を打っています。

それはワクチン接種です。

中国製のワクチンの有効率は70%であるため、80%以上の人がワクチンを接種しないと集団免疫が成り立たない。

ワクチン接種をより一層進める必要があります。

中国のワクチン接種数は、4月25日時点で2億2,000万回だった。

それが、5月23日時点で5億1,000万回、6月27日時点では11億9,000万回。

倍々のスピードで急拡大させていたことになる。

ワクチンの年間生産能力も2021年中には計70億回分を超える見通しといわれている。

大都市である広州市や深圳市で、国内初のデルタ株市中感染が起きたことがワクチン接種を大きく進めるきっかけになったものとみられる。

 

広東省5.21感染」は防疫措置のあり方、その改善点を気付かせてくれましたが、日本も見習うところはたくさんあると思います。

国それぞれ、方法は違っていいし、正解はないかもしれません。

 

しかし、今回のデルタ株の特徴は、

(1)デルタ株感染者の体内ウイルス量は従来株の100

(2)体内潜伏期間は1~3日で、2020年に武漢で見つかったウイルスの平均3~7日と比べても体内潜伏期間が短い

(3)デルタ株感染後の体内ウイルスが陰性に変わるのに要する時間に13~15日程度(まれに20日以上のケースもあり)、従来株(7~9日程度)のほぼ倍

(4)感染者のウイルス量が多く、感染力は従来株の2

という科学的な根拠が出ています。

 

感染拡散の早さに対してはもっと高度な警戒が必要だと思います。

ロックダウンをしないために、中国のような徹底的な政策を望んでいます。

先日起きた~フェスのようなことが行われないためにも、政府はもっと厳格に対処してほしいし、国民に正確な科学的根拠を示してほしいと思っています。

 

では、今日も1日前向きの!!

59 ネット社会の情報モラル

f:id:aoi_fukurou:20210905171214j:plain

 

ネットやSNSによる誹謗中傷

インターネットは、リアルな繋がりとは違い、自分の素性を明かさず(匿名性)に発言ができたり、見ている人が多い分共感が得やすかったりといった事から誹謗中傷が投稿されやすい場です。

 

日本財団は2020年7月30日、第28回「18歳意識調査」結果を公表しました。

全国の17歳~19歳男女を対象に実施したもので、回答数は1,000人。

調査機関は2020年6月12日~14日。

SNS」をテーマに行われました。

 

SNSを利用した経験があるのは94.0%(普段利用しているのは全体の91.6%。「過去に利用していた」2.4%とあわせた)で、半数以上が1日2時間以上使用していることが明らかになりました。SNSの法整備について75.5%が「必要」と回答しています。

使用経験があるSNSは、LINE」97.8%が最多

Twitter」81.8YouTube」74.8%、「Instagram」69.4が続いた。

使用用途は、「情報収集」80.4%、「友人とのやり取り」75.5%、「学校や仕事などの連絡」69.0%が多かった。

 

1日のSNS使用時間は、1~2時間未満」23.4がもっとも多く、ついで2~3時間未満」22.8%、「1時間未満」16.9%、「3~4時間」14.7%など。「6時間以上」という回答も8.3あり、半数以上が「2時間以上」利用していることがわかりました。

SNSは生活に必要不可欠」と回答した人は75.2%。44.1%が「SNSに依存していると思う」と回答しています。

アカウントに本名や顔写真を載せている人は4割弱だった。

 

SNSを通して誹謗中傷を受けた経験が「ある」人は12.0

このうち、3割が「誹謗中傷される心当たりがない」と回答

また、SNS上で「賛否両論の意見を言ってしまった」「少し言い過ぎた」「相手をブロックした」など、本人の発信内容が発端で誹謗中傷が始まったケースや、学校でのいじめや人間関係、嫉妬や相手の勘違い友達とのけんかなども原因にあがっていた。

 

このように、ネット上では匿名性が主な原因で誹謗中傷が問題になることが多い一方で、同時に、自由な言論空間の確保という価値も担ってきた点にも留意しなければならないでしょう。ですから、誹謗中傷に遭わない対策とともに、万が一誹謗中傷をされてしまった場合の対処法も覚えておくことが大切です。

 

www.elplanning.co.jp

 

ユーザ自身の情報モラルが最も重要であることは明らかですが、それを教えなくてはならない大人にモラルが欠けているのですから、子どもたちにどう伝えればいいのでしょうか?

 

www.youtube.com

 

ちょっとした悪ふざけのつもりが・・・

想像力のなさですね。こうすればこうなる、ということは経験して初めてわかることなのでしょうが、親は人を傷つけることに関しては、小さい時から教えてほしいと思います。

子供が傷つかないように保護するのではなく、子ども自身が傷つくことはある程度させるべきですが、決して人を傷つけることのないよう教えるべきだと思います。

 

大人にもこの想像力のない人がたくさんいると思います。少し考えればわかることなのですから、感情をすぐにぶつけずに、良く考えて書き込みしてほしいです。

また相手の立場に立つ、ということもできなくなっている昨今、自己中心的にならない教育もしなくてはならないでしょう。

 

国は、インターネット上の誹謗中傷対策の検討に当たっては、

  1. 誹謗中傷の書き込みの未然防止
  2. 書き込まれた場合の被害の拡大防止
  3. 書き込みの被害者に対する支援や救済の充実
  4. 適法な情報発信を行っている者の表現の自由の確保
  5. インターネット、特にプラットフォームサービスが日常生活や社会・経済活動に果たす役割

多様な観点を適切に実現することを基本的な視点として、憲法を始めとする我が国の法秩序を踏まえ検討しているところです。

 

何か1つの方策ですべてが解決できるという性質のものではないので、

  1. 誹謗中傷の書き込みを行うユーザ(情報発信者)への対応
  2. ソーシャル・ネットワーキング・サービスSNS)などの書き込みの場を提供しているプラットフォーム事業者への対応
  3. 書き込みによって被害を受けた者(被害者)への対応

を早急にしてもらいたいものです。

 

https://www.city.osaka.lg.jp/higashinari/cmsfiles/contents/0000533/533432/10.pdf

 

https://www.soumu.go.jp/main_content/000687270.pdf

 

では明日も1日前向きに!!

58 遺伝子情報と倫理(2)

f:id:aoi_fukurou:20210901072426j:plain

 

「遺伝子情報でわかること」と「倫理的にできること」

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが自分の遺伝子を調べ、乳がんになりやすい遺伝情報をもつことが分かったため、2013年に乳房を切除したことはまだ記憶に新しいと思います。

 

遺伝情報から病気のことはどれほど分かるものなのでしょうか?

 

結論としては、現在、病気や遺伝子によって、医療で利用できるものから研究中のものまで千差万別としか言えません。

 

遺伝情報から分かる病気のリスクは、病気や遺伝子によって精度が大きく異なる一方で、「遺伝子検査」と名の付くものは数多くあり、病院のみならずテレビ広告でも聞くようにまでなってきました。

検査の「正確さ」をどう見極めればよいのでしょうか?もっとも大きな区別は「保険適用されているかどうか」である。

保険適用されていれば、患者負担が窓口で3割などになり、残りは国の医療費などから負担されるが、これは一定の精度と信頼の有効性があると認められたから、こうなっているのであって、保険適用されていないとなれば、まだ検証が十分ではないということになります。

 

どんな疾患や体質も、遺伝要因環境要因が影響します。

 

遺伝要因がどの程度影響するかも、ものによって違います。

例えば家族性の乳がんですと、遺伝要因がほとんどです

なかなか環境で防ぐことができない。

ただ、同じがんでも肺がんですと遺伝要因が約10パーセントくらいでして、あとは環境要因です。

喫煙しているかどうかやストレスといった環境要因が大きいと言われています。

 

その中でも、遺伝子だけで100パーセント発症が決まってしまうような遺伝性の疾患というものがありますが、実はそれは個人向けの遺伝子解析サービスでは扱いません。

これは「技術的にできること」「倫理的にできること」が異なるということです。

 

ここで思い出してください。

 

f:id:aoi_fukurou:20210828225827p:plain

私たちは結果を聞かないという権利があります

 

遺伝子だけで100パーセント決まってしまうものは、その情報を提供することそのものが医療の診断行為になってしまうので、個人向けのサービスでは提供していません。

あくまで環境要因も影響するからこそ、自分で予防の行動ができるものだけを扱っています。

 

あとは精神疾患も実は扱っていません。

うつ病とか、双極性障害ですとか、統合失調症というものは扱っていません。

これも倫理の問題になってくるのですが、「あなたはうつ病になりやすいですよ」と言われることによって、その結果次第で精神的な負担を受けて、うつ病になってしまうという可能性もあるということが懸念されています。

 

「技術的にできること」「倫理的にできること」には違いがあります。

前回でもお話した通り、倫理的問題には答えがありません。

 

news.yahoo.co.jp

 

logmi.jp

 

今後、遺伝子情報は技術的には個人が簡単に知ることができるようになるので、リスクを越えてどういうふうにメリットを取っていけるかが重要になると思います。

ですから、自分の遺伝情報を知ることのリスクを理解した上で、遺伝情報に基づいた病気の予防や治療の可能性に注目したいと思います。

 

また、遺伝子情報による薬の副作用の発現の大小や、患者さんごとの薬の量の調整など、まだまだ遺伝子情報にはいろいろな可能性がありますが、そこには必ず倫理的問題が付きまとうものだということ、遺伝子情報には環境要因の影響が大きいことを忘れないでほしいと思っています。

 

では今日も1日前向きに!!