102 薬剤師あるある(19)
方丈記の冒頭の
「ゆく川の流れは絶えずして。しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶ泡沫は、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」
川の流れをじっと見つめているといつもこの言葉を思い出します。
自分の人生を振り返り、いろいろな事があったけれど、結局はこういうものなのだな~
とつくづく感じます。
誕生し、成人して、子供を育てて、次の時代に受け継がれていく、その人間としての流れは、この言葉に言い現わされている通りです。
自然界のものはすべてこういうものなのかもしれません。
人間の細胞も常に入れ替わっています。
今日の私は昨日の私ではないにもかかわらず、いつも同じ人間(自己同一性)です。
ゆく川の流れは絶えずして。しかも、もとの水にあらず。
人間の体は、固体だと思っている人が大半だと思いますが、実は絶えまなく流れている流体なのです。
流れ去ると共に作り換えているのです。
つまり、合成と分解が常に小さく行われているために、大きく変化しないのです。
人間の身体をジグソーパズルに例えることができます。
もし1ピースが分解され、抜け落ちてしまうことがあっても、その周りの何ピースが残っていれば、捨てられたピースのかたちはそこだけ切り抜かれたように保存されます。
するとそのかたちに合わせて新しいピースができ、そのピースがどこにはまればいいのかが自動的に決まってきます。
この仕組みのことを「相補性」といいます。
ミクロなパーツがどんどん入れ替わっても、パズル全体の図柄は相補性によって支えられているので、大きく変化することがなく、自己同一性が保たれるのです。
人間の体を機械とみなす、機械論的な思考では、例えば膝が痛くなったので、膝の部品を新しくすれば痛みは消えるのか?
答えはいいえです。
膝が痛くなるということは、膝の部品がダメになるから痛くなるのではなく、身体のさまざまなところの平衡が乱れて、その負担が膝にかかっているから痛くなるのです。
身体の平衡が回復しない限りはまた痛くなるのです。
このように機械論的な思考では、局所的に問題が生ずればそこだけ取り換えればいい、と考えます。
ですが、生命は動的平衡として相補的な関係があるので、部品、部分という考え方はなじまないのです。
また、動的平衡の考え方では、生命は連続しているので時間軸に沿って簡単に分けることができません。
人間はいつか絶対に死ぬのですが、死はある瞬間に訪れるものではありません。
心臓が止まったり、呼吸が止まったりしても、身体の細胞の大半はまだ生きていて、酸素や血液の供給が止まると徐々に死んでいきます。
ですから人が死ぬまでには時間がかかるものなのです。
死はどこかで一度に起こるものではないのです。
ですが、それでは法律が決められなかったり、様々な不都合が起こるので、一応
「死はここで起きます」という風に人間が勝手に分岐点を作っているのです。
脳死問題がいい例でしょう。
脳死問題とは、死ぬ時点がいつか?という考え方です。
古典的には
①心臓が止まる
②呼吸が止まる
③瞳孔反射(目に光を当てると瞳孔がキュッと閉まる)が消える
の3兆候が現れた時点が死であるという考えでしたが、
最近では「脳が死ぬ」ことが人間の死だと考えるようになりました。
「脳死」を人の死にすることによって、まだ生きているのに死んでいるとみなすことができ、ある一定の時間を設けることができます。
すると生物的にはまだ生きている身体から臓器を取り出しても殺人には当たらないので臓器を別の人に移植することができるようになります。
つまり、脳死は、死の地点を前倒しにすることで、臓器移植ができるようになるという機械論的な生命観に基づく生命の分断といえるのです。
このように人間の死を時間軸で決めることはできないと、福岡氏は言っているのです。
なぜなら、人間は動的平衡にある流れの中で生きているから。
皆さんも、生命を、動的平衡・相補性という考え方で見てみると、今までとは違った考え方ができるかもしれません。
では今日も1日前向きに!!
101 エナジーム(9)
blog投稿、100回超え!!
2018年9月に乳がんステージ4と診断されてから、はや4年が過ぎようとしています。
第1回目のblogは、2021年2月12日このblogのタイトルにした、「一寸先は闇がいい」でした。
1年3か月の間に前回の記事で100回を投稿したのですから、自分でもびっくりです。
幸いにも治療がうまくいって、今まで生きのびてこられましたが、ステージ4ですから、完治することはありえませんし、いつ再発してもおかしくない状態であることは確かです。
私はこの「一寸先は闇がいい」というタイトルがとても気にいっています。
がんの告知をされた時、いいえ、それ以前からこの先何が起きるかわからない、だから、人生楽しいのです、と思って生きてきました。
とりあえずの安定を求める気持ちが全くなかったわけではありませんが、自分がしたいこと、自分が生きたい生き方をして来られたのは、環境と運と好奇心で、何事も恐れずに進んできたからなのだと思います。
人生思い通りに行くわけがありませんが、思い通り?とはどういうことなんでしょうか?
こうすれば、こうなる・・・なんてことは人生にはないのではないでしょうか。
文明が発達して、どんどん人間が考えるように社会が変わっていくように見えますが、
今回のコロナ禍でわかったように、人間にできることなんてわずかしかないのです。
自然の力には到底及ばないし、それをどうにかしてしまおうなんて、人間の浅はかさであり、身の程知らずなのではないでしょうか。
戦争の悲惨さを何度も経験しているはずなのに、未だに戦争をやめない人間は、どれだけ
愚かな生き物でしょう。
私たちは、自分の愚かさや弱さに早く気づき、他の動植物や自然に敬意を持って生活するべきで、それが共存するということだと思うのです。
共存とは、どちらが上とか下とか、どちらが支配する、支配されるのではなく、お互いの存在を認めて、ともに生きることですね。
人間同志もそうです。
お互いを認め合うことで、分かり合うことができなくても、わかろうと努力し、よく話し合うことが大切だと思います。
ウクライナの惨状を見るたびに、私たちにとって何が一番大切かを知らされます。
相田みつをさんの言葉にいつも支えられています。
自分の調子の良い時も悪い時も、自分の原点に戻って冷静に考えることができるような気がします。
これからの日本はどうなるのでしょうか?
高齢化と少子化はどんどん進むと思われますから、若者の少ない社会は、どう考えても活性化した社会にはなりませんよね。
つまり、社会構造が変わってくるということは
今までのような考え方のままではダメということだと思うのです。
もっと若者が主体的に働けるチャンスをどんどん作ってあげるように、
私たち高齢者が変わっていくべきだと思います。
若者の考え方と高齢者の考え方には当然ギャップがありますが、
私たち高齢者は若者を支援こそすれ、決して足を引っ張ってはいけないと強く思っています。
若者よ、失敗を恐れずに、挑戦し続けてください!!
今日も1日前向きに!!
100 薬剤師あるある(18)〜死ぬまで元気でいよう〜
病院から町の医院へ
4月になって、医療報酬改定があり、国は大きな病院から町の医院になるべく任せる方向にシフトしてきました。
厚生労働省「平成29年患者調査」によると、入院日数の平均は29.3日です。
急性期病院での入院日数はおおよそ20日未満というのが一般的です。
まだ十分に動けないのに退院を勧められる場合もあります。
一般病床を有する病院において、一般病床に入院する患者の平均在院日数は約18日。
では、なぜ早期退院や転院をしなくてはならないのでしょうか?
病院の制度が、2週間での退院を推奨していること。
医療の技術や、治療のレベルが高く長期入院を必要としないこと。
病院の機能を維持して、適切に運用していく必要があること。
この3つのが、現代の医療サービスを説明していくことで重要となります。
要するに、医療費(保険)を適切(必要な人に最低限必要なだけ)に使いたいということです。
病院から在宅へ
最期は病院ではなく、自宅で・・・私の小さいころは、ほとんどの高齢者が自宅で最期を迎えましたが、現代では、本人は自宅で最期を迎えたいと思っているのに、ほとんどの場合病院で最期を迎えます。
本人は、家族に迷惑をかけたくないと思い、家族は病院のほうが安心できると思うからです。
また在宅の医師の数も圧倒的に少なく、日本はまだまだ在宅で最期を迎える準備ができていないと感じています。
私の義理の父も母も自宅で亡くなりました。
父は段々と機能が低下して、寝たきりではありませんでしたが、朝起きたら亡くなっていました。これから介護や看護が大変になるだろうと思っていた矢先でした。
最後まで孫たちと一緒に食事をし、旅行をし、いつも家族一緒でした。
母は一時施設に入っていましたが、最後は自宅で家族と過ごしました。
兄弟姉妹が母のベッドの周りで食事をしたり、話をしたり、にぎやかに過ごすことができた
ことは、母にとっても私たちにとってもよかったと思っています。
何よりも、人間の死というものを身近で見ることができたのです。
介護保険制度
介護保険が創設されたのは、2000 年(平成12年)ですから、それまでの在宅での看護や介護がどれほど大変だったかは想像に難くありません。
高齢化が進むにつれ、介護を必要とする高齢者の増加や核家族化の進行、介護による離職が社会問題となり始めたころです。
家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に介護保険ができたのですが、何しろ初めての制度なので、試行錯誤しながら、今年で22年目を迎えたところです。
私は発足時からケアマネージャーをしていたので、この介護保険制度がどのように成長してきたかをずっと見てきました。
家政婦とヘルパーを混同してしまい、何でもヘルパーに頼んでしまったり、夜中に電話でたたき起こされたり・・・など、ケアマネージャーも専門家とは名ばかりで、生まれたてで右も左もわからない状態でしたので、最初の10年くらいは霧の中で仕事をしている感じでした。
高齢者の方々とお話する間に、わかった事が一つあります。
それは、高齢者になると、皆寂しいのだということでした。
昔の大家族のように、高齢者を尊重して生活するライフスタイルから、核家族化が進んで、皆、自分のことを第一優先にするライフスタイルになってきました。
昔は、高齢者には高齢者の役目というものがありましたが、現代では、高齢者は若い人達のお荷物になっていると感じてしまいます。
人生100年といわれる社会で、高齢者がより良く生きるためには、なるべく死ぬ直前まで元気で過ごすことが理想です。では、そのためには高齢者になるまでにどんな準備をしなければいけないのでしょうか?
①自分のことは自分でできるようにする
既婚者は、いつ相手がいなくなるかもしれないので、なるべく相手、ましてや子どもたちに頼らずに生活することです。また、独身者は今まで通り自力で生活できるようにする。
②なるべく働き続ける
働くことによる、経済的な面が大きいですが、毎日メリハリのある生活をするためにも、行く所があって、することがあるということが元気の素です。
③転倒して、骨折しないよう気を付ける
高齢化するということは、自分の頭で考える自分ではなくなるということなので、慎重に生活する。
④良く食べて、良く動くこと
たんぱく質をしっかり食べて、毎日無理をしない程度に歩くことで足の筋力を維持することが大切です。
日本の介護保険制度はとても良くできていると思います。
自立して生活できるのが理想ですが、なかなか理想通りにはいかないと思います。
もし、困ったときはぜひ、介護保険制度を使って、無理せず生活できるようにしましょう。
入院するのではなく、自宅で最期まで生活できるように知恵を絞って、工夫しましょう。
親の面倒は子供がするもの!という考えから、どうしてもだめな時は子どもに面倒掛けるかもしれないけど、なるべく介護保険制度を使って、自分で頑張ってみる、という方向に変わってきています。
そして高齢者が、お荷物ではなく、若い人達の見本になることで、高齢者の役目を果たしましょう。
では、今日も一日前向きに!!
99 沖縄は梅雨入り
GWに沖縄に行ってきました
今年のGWは1週間お休みが取れたので、沖縄に行ってきました。
感染者がどんどん増えているものの、3回目のワクチン接種も終えたので、思い切って1週間行ってきました。
まず、沖縄は1か月早く梅雨入りすると知ってはいたものの、東京のGWはいつもお天気がいいことが多いので、すっかり同じものだと思いこんで、青い海・青い空 を想像しながら・・・。
今年は少し早目の5/4に梅雨入りしてしまいました。
前半は雨も降らずに曇天で、ちょうどよい涼しさでしたが、段々と寒くなり、気温を見ると、東京のほうが暖かいではないですか!
1月に来たときは、寒くてダウンを買い求めたほどでしたし、8月は台風の隙間に来ることができたので、一番いい季節はいつ?と考えましたが、2月と11月がよいとわかりました。
沖縄復帰50周年
今年は沖縄が日本に返還されて、50年の年だそうで、全国的にイベントがあります。
沖縄の歴史は奥が深いので、まずは沖縄県立博物館(おきみゅー)に行きました。
お城(グスク)をイメージした建物だそうです。
琉球王国は、室町時代に、琉球貿易(日本・中国・朝鮮・東南アジアなどの各国間を結んで行われた中継貿易)で富を得て、独自の文化を発展させてきました。
1429年に成立した琉球王国の政治、外交、文化の中心だった首里城は第二次世界大戦の沖縄戦で消失しましたが、戦後、跡地には琉球大学が建てられていましたが、大学移転後に復元事業が推進されて、1986年には国が国営公園整備事業として首里城の建設を決定。
1992年、正殿などが復元され、国営公園として開園しました。
2000年には世界遺産となり、県民の心のよりどころとなっていました。
ところが、2019年10月31日未明に、正殿内部から発生した火災により、正殿をはじめする9施設が焼失しました。
火災は約11時間にわたり燃え続けた後に、鎮火されました。
沖縄戦で建物は全て焼失しまたが、戦後、国や県が復元を進めてきました。
2019年2月に復元プロジェクトが完了したばかりだったという。
建物は中国と日本の建築文化を取り入れ、独自のアレンジも組み込んだもので、復元に関わった高良氏は「琉球を象徴する存在だ。戦後の復興過程で、強い思いを込めて復元した沖縄のアイデンティティー。損失は計り知れない」と指摘しました。
現在は、復元作業が進んでいて、「見せる復元」を掲げて、復元状況を見ながら首里城の見学ができます。
首里城の近くに、今年4月30日にオープンしたばかりの那覇伝統織物事業協同組合と琉球びんがた事業協同組合の染め織の体験・発信拠点施設「首里染織館suikara」に行ってみました。
首里織とは、沖縄に存在する織物全てをさすとのことでした。
琉球王国時代は平民は赤や黄色のような着物は着られなかったそうです。独特な模様と織り方に魅了されました。
琉球王国ですが、豊臣秀吉が天下統一すると、琉球は朝鮮出兵で兵糧提供を義務付けられます。
江戸時代の1609年、徳川家康の許可を得て、薩摩藩の島津氏により、琉球は征服されますが、戦国乱世を生き抜いた島津の鉄砲隊に、琉球側はなす術もなく、敗北してしまったそうです。
琉球は薩摩島津氏に服属しながら、中国との朝貢貿易を継続していました。
辛くも独立国の立場を守ってきた琉球ですが、明治時代になり、明治5年(1872)、大蔵大輔の井上馨が、琉球国の領地と人民を日本政府のものにするという建議を日本政府に出し、これが通ります。
こうしていわゆる「琉球処分」が行われ、外国との直接交渉は禁止、琉球国王の尚泰は藩知事となり、ほかの大名と同じ扱いになっていくのです。
結果、琉球国王は君主としての立場は失われ、家系は日本の華族として継続することになりました。
さらに、明治12年(1879)になると、日本政府が軍隊300名余と、警官160余名を派遣して首里城に入城、城を明け渡させて、廃藩置県を布告します。
このような強制的な形で、琉球は日本の領土になったのです。
私たちは、当たり前のように、沖縄は日本の領土であり、沖縄県人は同じ日本人だと思っていますが、実は琉球は独立国で、長い歴史の中で日本の中に組み込まれてきたという歴史の流れを知ることが、沖縄を理解する上でとても大事なことだと思い知らされました。
現在、上野の東京国立博物館で、沖縄復帰50周年記念 特別展 「琉球」開催中。
では今日も1日前向きに!!
98 独学のすゝめ
自分の頭で考える習慣を
身につけましょう
独学?
と聞くと、みなさんはどんなことを想像するでしょうか?
英語では、"self-taught"
先達者の指導を仰ぐことなく独力で目標をたてて習熟しようとする学習方法、能力開発の方法のこと。
私は独学で~をマスターした、独学で~のプロになった、という話を聞くと、その人に興味がわきます。というのも、すごいヒト!と思うと同時に、きっと今までにない新しい分野を切り開いたヒトかも?と想像するのです。
何をするのも、基本が大切だと思っています。
そのために義務教育があるし、基礎の運動や勉強の積み重ねがあるのだと思います。
ではなぜ基本が大事なのでしょうか?
私は、基本を持っていないと、周りに振り回される恐れがあるからだと思っています。
人間は弱い生き物です。
他人の意見に振り回されたり、すぐにおいしい話に乗ってしまったり、詐欺にあったりします。
そんな時、冷静になって、基本に戻ってみるのです。
そのためには、自分の頭で考える習慣を身につけておくことが大事です。
物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開するためには、
①何が正しいのか定義を見直す
知識が増えると、なぜ?と自問自答することが少なくなり、頭を使わなくなる傾向があります。自分が知っていると思いこんでいるだけで、実は知らないことに気づき、自分の頭で考えて定義を見直すことが一番大事だと思います。
物事の本質は、わかっているようでわかっていないことが多く、いつも本質に戻って考える習慣を付けたいと思っています。
②本質を理解し、発想を拡散する
人間はどうしても自分中心にものを見、考えがちです。
知識が増えて、関心が深くなると、それだけ利害関係を持つことになり、精神的にも自由度が低下します。本質に戻ると、自由奔放にものを考えることができます。心の出家ですね。
③ロジカルに推測する
紙に書いて頭の中を整理するのがいいと思います。
論理的な思考は書くことで安易になるのではないでしょうか?
そして何度も書き直して思考を深くしていけるのではないでしょうか。
独学のメリットは?
①お金がかからない。
②成長スピードが速い。
③すべて自分で計画し、実行しなければならいので、主体性が身につく。
独学のデメリットは?
①持続しない。モチベーションを維持するのが難しい。
②成長スピードが遅い。
③孤独。偏ってしまう恐れがある。
何かを達成するには、それまでどんな勉強を積み重ねてきたかが、問われます。
要するに、勉強に必要な「質」と「量」です。
考えてみてください。
質の高さを求めるためには、どれだけの量をこなさなければならないか?
人の見ていないところでの量の積み重ねがものを言うのです。
自分のできない部分を何度もやり直し、どこがダメなのかを理解して、どうすればできるようになるかを考える作業が必要です。
これこそが独学です。
独学は極めて学習効率が高いのです。
必要のない部分は飛ばして、理解が弱い箇所や重要な部分に時間をかけることができます。
100%自分の理解度や能力にマッチした学習方法です。
しかし、独学だけでは成長できないのです。
独学は勉強の一部で、基礎となるもの(常識)に独学を取り入れることで飛躍的に成長できるのだと思います。
また、最初からオリジナリティを考えるあまりに、どこから何を勉強してよいかわからない人が多いと思います。
オリジナリティは、「斬新で奇抜なもの」「いままでになかったものであるべき」と思いがちですが、それは誤解のようです。
そのようなアイデアがひらめくことはほとんどといってないし、まったく新しいアイデアだと思ったとしても、すでにどこかの誰かが思いついているものです。
先で述べたように、オリジナリティはたくさんの「量」の結果出てくるものです。
真似し、学び、実行し、失敗し、チューニングしてリトライする試行錯誤のプロセスで、おのずとあらわれてくるのです。
忙しい人ほど頭がよく働くようになるのはなぜでしょうか?
それは何足ものわらじを履くことで、休み休みやることになり、その休みの間に忘却することができるからです。
忘却することで、新たに思考することができるからです。
あまり一生懸命しない方がいい。休むことでパフォーマンスが上がるのは事実です。
「先生と言われるほどのバカ」という言葉があるように、一途に頑張る人ほど変で、多少わき道にそれる人のほうが人生を豊かにできるのでしょう。
では今日も1日前向きに!!
97 薬剤師あるある(17) パレオダイエット
現代人は糖分を取りすぎている
私は自動車の運転が大好きです。
旅行はなるべく運転して行くのですが、睡魔との戦いが常にあります。
特に昼食後にそれは来ます。
なぜ昼食後に睡魔に襲われるのでしょうか?
それは血液がお腹に集中して、頭に行かないからではありません。
炭水化物(糖質)や甘い物を多く摂ると、血糖値が急激に上昇します。
上昇した血糖値を下げるために、膵臓からインシュリンが出ます。
血液中の糖は、エネルギーに変わったり、脂肪として貯えられたりするので、血液中から糖がどんどんなくなり、血糖値は急激に下がります。
脳はエネルギーを一番使う場所なので、血糖値が急激に下がると脳の中でエネルギー不足になり、眠くなります。
では眠くならないためにはどうしたらいいのでしょう?
急激な血糖値上昇を避けることです。
以下のようなことを心がけることで、私も昼食後の睡魔に襲われることがなくなりました。
- ベジファースト
ベジタブルファーストです。最初に野菜を食べることで糖質の吸収を穏やかにします。
- セカンドミール効果
トロント大学のジェンキンス博士が1982年に発表した理論で、1日のなかで最初に食べた食事の内容が、2回目の食事における食後の血糖値に影響を及ぼすというものです。朝食で食物繊維の豊富な食品を食べると、昼食時の血糖値の上昇をコントロールできると言います。
- 炭水化物を避ける
炭水化物を摂ってはいけないというものではありません。麺類や丼ものは急激な血糖値の上昇を引き起こすので、炭水化物よりも、食物繊維を含むもの、たんぱく質の多いものを摂りましょう。
- 間食を利用する
昼食前にナッツやドライフルーツ、豆乳や野菜ジュースなど糖分控えめのドリンクを飲むことで、血糖値の上昇を抑えることができます。
と食事の仕方を説明しましたが、現代人は糖分を摂取しすぎだと思います。
昔のように肉体労働をすることもなくなり、いろいろな事が楽にできるようになりました。
特にオフィスワークは断然座っていることが多く、運動不足です。
パレオダイエット
最近、旧石器時代の食事(パレオダイエットまたは原始人食)が健康に良いと話題になっています。
農耕が始まる以前の狩猟採集時代の食事で、肉を中心にした食事です。
パレオダイエットは旧石器時代の食事に立ち返ることを念頭に置き、農耕や牧畜に頼らず、日常的に簡単に入手できる魚介類、鳥類、小動物、昆虫、卵、野菜、キノコなどの菌類、根菜、ナッツ類などを中心とし、旧石器時代には、自然界から容易に入手できなかった穀物、豆類、乳製品、芋類、食塩、砂糖、加工油は原則的には避けるものです。
- 加工食品・調味料は避ける
良質なたんぱく質・炭水化物・脂質をまんべんなく摂ることが大事です。
カロリー計算は必要ありません。
とてもシンプルです。
良質なたんぱく質:鶏・牛・豚・羊の肉類や卵・魚介類などの動物性のたんぱく質ですが、豆腐は避けてください。
良質な炭水化物:野菜・果物から摂取できます。特にいも類・かぼちゃからは多くの耐水化物が摂れます。
お米は少量なら許容範囲ですが、糖分が非常に多いので少量に控えた方がいいです。
パンやパスタはグルテンが含まれているので、内臓に炎症を起こす可能性があるので避けましょう。
良質な脂質:アボカド・ココナッツオイル・オリーブオイル・アーモンドなのどナッツ類や肉類から摂れる脂質です。
サラダオイルやごま油などのオメガ6脂肪酸は積極的に摂取しないようにしましょう。
- シンプルな調理法(料理に手間をかけすぎない)
旧石器時代の食事法なので、手間はかかりません。
毎日手軽に調理することがポイントです。
シーソルト・スパイスやハーブなどの自然な調味料を使用して、焼く・煮る・蒸す・炒めるなど、ごく普通の調理を行います。
食材はスーパーで買えるもので十分です。
- チートDAYを作る
チートDAYとは、何を食べても良い日のことで、パレオダイエットを完璧に行うのではなく、約80%程度の割合で行うことがポイントです。
週に1日か2日、何を食べても良い日を作り、ストレスをためることなくパレオダイエットを実践できると思います。
パレオダイエットで人間は健康になれるのか?
旧石器時代の人類の生活を想像してみてください。
野生の動物を毎日捕まえることは、相当困難だったと思われます。
毎日食べていたとはどうしても考えられません。
では、毎日何を食べていたのでしょうか?
多分野菜だったのではないでしょうか?
一説によると、10万年前からいも類だけでなく、穀物も食べていたという可能性があるとのことです。
その上、運動量は現代の人々からは想像できないほど多かったに違いありませんから、糖分を多量に摂取していたとしても、糖尿病や心臓病になることもなかったのではないかと推測されます。
人類は長い時間をかけて、生き延びるために多様な環境に適応できる能力を身に着けてきたのではないでしょうか。
食物を保存するための調理方法を考え、様々な食物を組み合わせて、健康的で多彩な食習慣を生み出してきたのだと思います。
調理することを覚え、食物を細かく砕いて火を使って調理すれば消化しやすくなるし、生で食べるよりも胃腸の負担が軽減されて、余ったエネルギーを脳の活動に回せることを覚えたのです。
人口が増えたことに寄って、食料需給はどんどん増大し、生で食べるだけでは生き延びられなくなり、調理された、高カロリーの食品に依存するように進化してきたのです。
高度に加工された食品はカロリーが高いのです。
1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回る人が増えてきたことは、人類始まって以来です。
加工食品を多く食べることが、肥満や生活習慣病の増加につながっているのです。
地元産の野菜や果物をもっと食べて、少量の肉と魚、全粒の穀物を摂取し、1日1時間は運動するという生活習慣をみんなが実践できれば、健康にも、地球環境にもよいと思うのです。
人間の欲は果てしなく、おいしいものを作り続けますが、1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回ることがいけないのです!!
欲に負けずにこのバランスを守っていきましょう。
それにしても東京は食べるものが過剰だと思いませんか?
では、今日も1日前向きに!!
96 自己肯定感
内閣府のH26度版 子ども・若者白書
日本の若者は諸外国と比べて,自己を肯定的に捉えている者の割合が低く,自分に誇りを持っている者の割合も低い。
自分自身に満足している者の割合は5割弱、自分には長所があると思っている者の割合は7割弱で、いずれも諸外国と比べて日本が最も低い。
年齢階級別にみると、特に10代後半から20代前半にかけて、諸外国との差が大きいという結果です。
H26の調査というのも古すぎる感はあるものの、日本人はどうして低いのでしょう?
この調査では、
- 自分に満足している
- 私は価値のある人間だと思う
- 自分はダメな人間だと思うことがある
という項目で測られています。
欧米人は大人も子供も、①②はほとんど肯定し、③は多くが否定しています。
日本人はこの逆で、①②を肯定するのは半数以下、③は多くが肯定しています。
これはまさしく文化の違いだと思うのです。
日本人の保護者に、子供がどう育ってほしいか?と問うと、ほとんどの保護者は、
「他人に共感することができて、他人への気配りができる、協調性のある子に育ってほしい」
と答えました。
日本では、情緒が安定した、温和で素直な子供が、良い子、とみなされていました。
現代はずいぶんこの考え方も変化してきていますが・・・。
欧米、特に米国では、積極的で自己主張の強い子どもが良い子とみなされて、幼いころから、自分に自信を持ち、他人に負けないように自己主張するように育てられます。
良い子の条件:
日本人・・・思いやりがあり、自分勝手な言動や行動を控え、協調性のある子
欧米人・・・自分に自信を持ち、自己主張のできる子
欧米社会では、強烈な自己主張をして、自信満々に振る舞い、自分の手で奪い取らなければ、生きていけない競争社会、つまり奪い合いの社会なのだと思います。
日本社会では、思いやりを持って人に対することが重んじられ、相手の気持ちを配慮し、自己主張を控え、自慢したり、自信満々に振る舞ったりすることは、はしたないとみなされ、お陰様の精神で、前回のブログのように、「皆様のお陰で仕事をさせていただいております。」という譲り合いの社会なのだと思うのです。
自分に満足している、自分は価値のある人間だと思うという項目には、日本人なら、もし自分に自信があると思っていても、〇はしないだろうと思います。
〇をしないことで、自己肯定感が低い!!と結論付けられては困ります。
自己肯定感のある人でも、日本人なら、まだ反省点がたくさんあり、前向きに進化して行こうと思っている人はたくさんいると思います。
本当の日本人の良さを図る項目は何でしょうか?
私はこういう日本人が好きです。
現代社会では、米国の資本主義に踊らされて、本来の日本人の良さを忘れかけてしまっています。
私たち日本人は、譲り合いでうまくやっていたのですから。
能ある鷹は爪(を)隠す:実力のある者ほど、それを表面に現さない
ということわざにもあるように、自己主張をする、相手を蹴落とす、相手から奪い取る、といった言動や行為は日本人社会になじまないと思います。
社会が変化するのは当然のことですが、日本になじむ社会に変化していくべきだと思っています。
みんなで日本の良さに自信を持って、社会を作っていってもらいたいと思うばかりです。
日本の自国肯定感をどんどんあげましょう!!
この白書の中でもう1つ気になる点は、日本の若者は諸外国と比べて、悲しい、ゆううつだと感じている者の割合が高いことです。
これが単純に自殺者が多い、ということではないことは明らかです。
アメリカでは、ティーンエージャーの自殺者数が急激に上昇しているからです。
ですが、悲しい、憂鬱だと感じている子供が多いことは、決して良いことではありません。
これが自己肯定感と直接つながりがあるかどうかはわかりませんが、日本の若者は諸外国と比べて、自分の将来に明るい希望を持っていない、という結果も出ているので、これは私たち大人が作ってきた社会が、子どもたちにとって明るく、楽しいものではないということにほかなりません。
子どもたちのためにも、日本人が誇れる、希望の持てる
社会を作っていかなければならないと思います。
では、今日も1日前向きに!!