70 薬剤師あるある(11)
スーパーフード(1)
日本ではなじみの薄いスーパーフードですが、欧米ではかなりの商品があり、摂取されているのに驚いています。
病院や施設で積極的に摂取されているようです。
アメリカで取り入れられた「オーソモレキュラー療法」は、日本では「分子整合栄養学」と訳されています。
栄養素(適切な食事やサプリメント・点滴・糖質コントロール)を用いて身体を構成する約60兆個の細胞の働きを向上させる治療法です。
薬を使わずに、身体の働きに注目する治療法ですが、その1つとしてスーパーフードがあります。
スーパーフードとは?
・栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいはある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
・一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
日本ではもともと雑穀や発酵調味料(味噌・醬油・酢・みりん)・納豆・ぬかずけ・甘酒・日本酒などはジャパニーズスーパーフードと言われています。
ここでは、スーパーフードの中でも「プライマリースーパーフード10」、スーパーフードを代表するものとして認知されているもので、日本スーパーフード協会がとくに重要と考えて、優先的に国内で推奨するスーパーフードについて話します。
・スピルリナ ・マカ ・クコの実(ゴジベリー) ・カカオ
スーパーフードの特徴は、
- 天然物なので、他の成分も含んでいる。
- 人間のホメオスタシス(66に書いたように恒常性)を保つ作用機序を持つ。
- 多くは植物なので、取れる場所や気候でばらつきがある。
- 薬効はわかっているが、天然物なので、他の作用がある可能性がある。
- 用法・用量はない。いつ、どのくらい摂取したらいいのかは未確定。
- 治療にとって代わるものではない。
医薬品・サプリメントと違いは?
- 植物そのものを乾燥・粉砕しているので、成分の純度は低い。
- 添加物は一切使用していないので、保存(吸湿)に注意。
- 栽培時の農薬や、化学物質の残留汚染の影響を防ぐために、オーガニック
の信頼できる商品を選択する。
選別するときの注意として、
- 効果は人を対象としたエビデンスのあるものを選ぶ。動物や試験管内の結果では、
人にあてはめられない。
- 体質や疾病、また服用薬によって、摂取してはいけない人がいるので、慎重に。
- その人の服用薬との相互作用があるものがある。
心配な時は、医師や薬剤師に相談することが大切です。
スーパーフードを治療食に使うメリットは?
- 病気・体調などの目的に合わせた栄養素・有効成分を摂取するための手段として。
- 少量でも必要な栄養素が摂取できる。
- 治療食の見た目をよくする【色・香り・味が豊富なため食欲増進に】。
日本人はジャパニーズスーパーフードを生まれた時から口にしている民族です。
知らず知らずのうちに身体の良い作用をする食品を摂取しているから長寿なのかもしれませんね。
次回はそれぞれのスーパーフードついて話したいと思います。
では今日も1日前向きに!!