55 人間にとって幸せとは?
幸せは内在的なもの、感じるもの
以前にも書いたのですが、日本の幸福度ランキングは、世界56位だそうです。
都道府県ランキング2021年度は2年連続1位だった宮崎県を退け、沖縄県だそうです。
なぜ日本人は、自分が幸せだと感じている人が少ないのでしょうか?
幸せな人生を目指して、努力を重ね、多くを手に入れたにもかかわらず、心の底から幸せだと感じられない。そして、自分が本当に望んでいた人生とはかけ離れていることに気づく。
そんな人が多いのではないでしょうか?
幸せとは手に入れるものではないと思うのです。
幸せというものはないからです。
幸せと自分が思うかどうかは、自分の内、心にあるからではないでしょうか。
いい時も悪い時も、その現状を受け入れて、自分からその現状に適応していくことこそ幸せを感じることができるのだと思うのです。
苦しい時、幸せを感じる人はいないと思いますが、そこから抜け出したとき、その現状をしっかり自分で受け止めて対処(適応)できたとき初めて幸せだと感じることができるのではないでしょうか。
なぜ現代の日本人は幸せと感じにくくなっているのでしょうか?
「脱亜入欧」という言葉を知っていますか?
明治維新で日本が自国を否定し、欧州に習えと考えたのです。
ところが、この福沢諭吉の本意とはかけ離れて、今の教育制度が変わってきてしまいました。
「何のために学ぶのか」が見えないまま、立身出世するために受験をする構造は、このように明治のはじめからできあがりました。江戸時代から続く朱子学の考え方を武士だけでなく庶民にまで広げたのが明治政府でした。
私たちは物事を知る、経験する、考えるという一連の流れ(順番はどうでもいいと思いますが・・・)を体験することによって人間としての成長があると思うのですが、明治維新に始まった教育は、受験に打ち勝つために、良い点数を取ることだけに集中し、学ぶことの意味や、体験することの大切さ、考えることを置き去りにしてきたのです。
子どもたちは自分で人生の幸せとは何か?を考える暇もなく、いかに良い点数を取ることだけに集中させられてきたのです。
本当の幸せとは何か?
とは最も人間的な哲学的な問いであって、答えのないものです。自分で考えたあげくに自分の中に答えを出す問題なので、十分な思考力が必要であり、そのためには時間も必要です。これからのことをないがしろにして置いて、今あなたは幸せですか?と問われても答えようがないと思います。
㉞で書いたように、渋沢栄一の「論語と算盤」は、このことを良く表していると思います。
商売をするからには、道徳を忘れてはいけない。
商売は自分の利益のためではなく、国民全体の幸せ、より良い社会の実現のためにするものでなくてはならないと教えてくれています。
つまり社会生活において、道徳、つまり哲学が最も重要で、常に人間の幸せを実現していく方向に動かなければいけないのです。
今からでも遅くないと思います。
子どもたちの教育を見直すべきではないでしょうか。
では今日も1日前向きに!!