一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

56 薬剤師あるある(6)

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患者さんにとって理想の薬剤師とは?

 

患者さんが思う薬剤師のイメージは

 

  1. 薬剤のプロとして、処方箋の調剤を行うのはもちろん、医師よりも患者の生活に一歩近い立場で様々な相談に乗ってくれる。
  2. 薬のプロで、黙々と調剤している。
  3. お薬をきちんと管理しながら、患者さんのために調剤してくれる
  4. 調剤と服薬指導のスペシャリスト。

 

さらに、薬剤師について感じることというアンケートを取ると

 

  1. 患者さんの病気を知った上でその薬について説明してくれる薬剤師さんが増えていると思う。
  2. 内服回数・量など、丁寧に説明してくれるので、有難い。
  3. 薬の説明だけでなく、生活上の注意もプラスしてくださると、医師による指導の相乗効果が高まる気がする。
  4. 医師の処方箋には逆らえないと思うが、薬剤師としての意見も聴きたい時がある。
  5. 病気そのものや個人までの関心が広い薬剤師さんは少ないかもしれない。
  6. もっと気楽に話しかけてくれてもいいのにな~と思います。

  

このことは、患者さんに寄り添った、臨機応変の対応の必要性と、患者さんの生活を知ったうえでの服薬指導(服薬で困っていることを聞きだす)や、なぜこの薬がこの患者さんには必要なのかを患者さん目線で説明できる能力の必要性を、薬剤師に求められているのだと感じました。

 

また、ジェネリック薬品が体質的に無理な患者さんもいること、

何もアプローチしてこない薬剤師が多くいること、

副作用について上手に説明できる薬剤師になることが求められていると思います。

 

薬剤師が在宅支援をすることが多くありますが、家に入るとびっくりすることが多いです。

残薬がないといっていたおばあさんの戸棚から、大量の残薬を見つけたり、

ちゃんと飲んでいます!といっていた患者さん自身で薬の管理ができていなかったり、

これなんの薬?と長年服用している薬の効能を知らなかったり・・・

 

患者さんは一般的にお医者さんにはあまり本当のことを話したり、疑問に思うことを質問したりできないのではないかと推測しています。

薬剤師は、いつでも何でも相談に乗ってくれる人と言うイメージを持っていただかなくてはならないと感じています。

あなたと話すと薬のことがよくわかるわ!とか、なんか元気になってくる!と言われると、私たちはこの上なくうれしくなります。

 

医師によっては薬剤師の提案を聞いてくださる先生も多くなり、大変うれしく思っています。昔は何か提案して、良く怒られたものです。

 

なぜ医薬分業が進んだかと言えば、薬剤師は医師の処方箋のチェック(薬の選択、量など)や医師に患者さんの生活や服薬情報(残薬があるか?ちゃんと服用できているか?)を提供するためです。

薬剤師は薬のプロであるという自覚が必要になってきます。そのために常に勉強(薬の生理活性や薬物動態学、新薬や病態など)を続けていかなければならないと思っています。

医学の進歩は目覚ましいものがありますが、まだまだ知らない病気や、病気と診断されずに1人で悩んでいる患者さんもたくさんいると思います。

 

希少・難治性疾患とは?

患者数が非常に少なく有効な治療法が存在しない難病(難治性疾患)を、希少疾病と言います。

厚生労働省はこの希少疾病を「対象患者数が本邦において5万人未満であること」と定義しています。

このような希少疾患は世界に7,000種類以上あり、日本での患者数は750-1,000万人であると言われています。

 

難治性疾患とは、難病(厚生労働省が認定)ではなく、もっと一般的な意味で、「治療が特に難しく、病状も長く続いて日常生活の負担が大きい病気」のことです。

 

https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/pdf/06e_3_2.pdf

 

www.orphanpacific.com

 

この病気の方は、自分しかわからない症状を言うことしかできず、気のせいじゃないの?とか怠けてるんじゃないの?と思われることがあり、また患者数が少ないことで診断されるまでに時間がかかるという二重苦を強いられています。

早めに正しい専門医にかかることが必要ですが、医師も知らない病気かもしれないので、難しいです。

また診断されたとしても、治療法が確立されていないことも多く、症状を緩和するだけに薬を服用している患者さんも多くいます。

早くオーファンドラッグ(患者数が少なく、治療法が確立していない難病に対する希少疾病用医薬品)が数多く開発されることを望んでいます。

 

www.ohara-ch.co.jp

 

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0210-9e.pdf

 

私たち薬剤師も、このような患者さんがいることを想定して、薬のこと、生活のこと、悩みを聞く姿勢が大事だと思っています。

何よりも患者さんが、毎日どのように生活しているかに想像力を働かせて、こちら側からわからないことを教えてもらう姿勢が大切だと思っています。

 

今まで患者さんから教えてもらうことで、ずいぶんいろいろな事がわかってきました。

私たちは自分で病気にならない限り、自分の身体のことで医師と話すことはなく、検査を受けることもないので、患者さんに病気のこと、検査のこと、病院のことなど聞くことがとても参考になります。

 

皆さんもいつ自分の身に起こるかもしれない病気のこと、知ってみませんか?

 

では今日も1日前向きに!!