7 人を信じること
主治医とよく話し合うこと
私の主治医はおだやかなやさしい先生です。乳腺外科の先生で、執刀もお願いしました。
先生の対応の仕方でこちらの受け止め方もかなり違ってくると思います。
幸いおだやかな先生ですので、困った顔でステージ4を告知なさいました。
決して5年生存率が30%なんておっしゃる先生ではありません。
ましてや、こんなになるまで何で検査しなかったんですか!!と怒る先生でもないです。
人間同志ですから、合う、合わないはあると思います。
ステージ4の場合手術をするかしないかはあとで考えることにして・・・
という言葉がどうしても気になったので、先生に伺いました。
私 「手術してもしなくても5年生存率には変わりがないということですか?」
先生 「まあ、そういうことです。」
先生はとてもいいにくそうにそう答えられました。
先生から考えれば、何歳であろうと、女性にとってデメリットになると思われる、乳房全摘手術を選択することが忍びないと思われたのでしょう。
私はとことん合点が行かないことを始めるつもりがなかったので、先生に疑問点をお聞きし、答えに納得がいくまで話し合いました。
ここが少し難しいところですが、先生の方から事細かに逐一説明はなさらないと思います。
こちらにある程度の知識がないと、なかなか疑問点を伺うことができないのではないでしょうか。
ご家族同伴で、医療の知識のある方同伴で伺うことが肝心です。
また、この先生は?ともし思うのでしたら、セカンドオピニオンという選択もできます。
私は先生とお話することで、先生を信じることにしました。
そして、自分の判断で乳房全摘・再建なしをお願いしました。
結局温泉に行ってもつまらないことにはなったのですが、どうしてもがんを見ながら生活することが嫌だったのです。
医師は、エビデンス(根拠・証拠)に基づいた治療方法を選びます。
治療方法を決めるのは患者自身です。
抗がん剤をしたほうがいいと医師に言われても、患者にはNOといえる権利があります。
私は薬剤師ですから、患者でもどちらかというと医師よりの患者だと思います。
薬剤師にとってもエビデンスに基づいた薬の選択は不可欠です。
私は先生を信じています。
先生が選択した治療方針を積極的に受けようと思いました。
そのベースには、今まで病気にならなかったこと、身体が丈夫なこと、副作用がどんなものでも後悔せず、受け止めようという覚悟※がありました。
人によっては重大な副作用を起こすことも事実なので、自分の身体と相談しながら、自分で決めることが大切です。
自分で決めれば、後悔することもないでしょうからね。
※覚悟とは?
危険なこと、不利なこと、困難なことを予想して、それを受けとめる心構えをすること。
私はこの【覚悟】という言葉が大好きです。
考えてみれば、最初の覚悟は『結婚』でした。
私たちの時代は、女性が結婚する、相手の両親と一緒に暮らす、ということは、二度と実家の敷居をまたがない!(ちょっと古いから私だけかも?)覚悟を持たなければできないことでした。
私は相当冒険心が強かったのでしょうね。
環境のちがう場所で自分を変えたいという気持ちが大きかったのかもしれません。
結婚生活中は子供がなかなかできなかったり、思うように子供を育てられなかったり、義両親や主人が病気になったり・・・といろいろと困難なことがありましたが、その時思ったんです。
考え方を変えよう!と。
子供ができなくても堂々と生活していこう。子供がうまく育たなくても、一生懸命したんだから、堂々としていよう。
もともと子どもは思うように育たないものなんだから。
そして、いつも笑顔でいよう!
こんな時、誰が笑顔でいられるの!!と自問自答の連続でしたが、変わらず笑顔でいようとしたことが、今の私の誇りにも強みにもなっています。
実際、母親が笑顔でいないと、家庭は暗くなりますよね。
主治医を信じたらとことんまでついて行く、覚悟で治療に入りました。
次回も時々脱線しますが、お楽しみに。
今日も一日前向きに!!