21 健康であること
今年の競泳の日本選手権は涙なくしては見られませんでした。
池江璃花子さんの復帰、4冠は、こんなことがあるのか?と驚きとともに、彼女が心細そうに出場していた初日から、段々と選手として自信をみなぎらせる顔になっていく様子がTVを通して国民全員が見ることができたことに感動しました。
私もがん闘病中は常に死を考える日々でした。
池江さんのエネルギーあふれる顔を見ることで、私まで元気になるのですから不思議です。
健康でいることのありがたさを、誰よりもわかっているもの同士、ただ感謝の気持ちでいっぱいです。
予防医学とは「病気にかからないように予防する」という考え方です。
病気にかかってから治すのではなく、病気になりにくい体作りを推進して健康を維持することを目的としています。
いわゆる心身ともに健康でいる状態を維持することです。
予防医学は、一次予防と二次予防、疾病がいわゆる完成に至っているか否かにより二次予防と三次予防に分けられます。
日本だけでなく、世界中に高齢化が進んでいます。日本ではそれに加えて、少子化、介護を必要とする認知症などが増えてきています。
先進国の中には30年以上前から予防医学を取り入れている国も数多くあり、福祉大国の北欧諸国では、既に国民に予防医学の考え方が浸透しており、寝たきり老人の人数も減少しているそうです。しかし日本では、病気や怪我が起きてから治療するという考え方がまだまだ主流であり、予防医学が重要だという考えも最近になってやっと叫ばれるようになり、今後の国民全体の意識改革の必要を感じています。
一次予防とは?
病気になる前に病気にならないようにすること。
健康診断を受けること・食事に気を使い、生活習慣病にならないようにすること、転倒しないよう生活環境を整えること・予防接種をすることなどがあります。
二次予防とは?
早期発見・早期治療です。
死亡率の低下・生存期間の延長が目的です。
三次予防とは?
リハビリです。
すでに発症した病気の再発を防ぐため、リハビリテーションや心のケアが大切です。
ADL(日常生活の基本的な動作)やQOL(生活の質)の向上や社会復帰が目的です。
プライマリ・ケアという考え方
米国科学アカデミーの医学部門による1996年の定義ではプライマリ・ケアとは、「患者の抱える問題の大部分に対処でき、かつ継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域という枠組みの中で責任を持って診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービスである」とされています。
日本では総合臨床専門医制度が2017年に発足したが、日本独自の制度として確立していないが、プライマリ・ケアの基本的診療能力(態度・技能・知識)の獲得を目的としている。
私たちは、一日も早くこのような医師や病院、診療所が多くなることを願うばかりです。
健康寿命
2019年の日本人の平均寿命は女性が87.45歳、男性が81.41歳です。
2016年の日本人の平均健康寿命は女性が74.79歳、男性が72.14歳だそうです。
UNFPAが発表した2020年版の世界人口白書(State of World Population)によると、平均寿命が最も長い国(地域)は日本と香港で85歳だった。 2位はオーストラリア、イタリアほか6カ国(地域)で84歳。
平均寿命から健康寿命を引いた、健康期間ではない期間を“寝たきり期間”と表現されています。
日本以外の国では、寝たきり期間が7年程度ですが、日本男性では9.2年、女性では12.7年にも達していて、日本は寝たきり期間世界一になっています。
驚いたことに日本は平均寿命、平均健康寿命、寝たきり期間全てにおいて世界1位なのです。
寝たきり期間が短いことが理想であり、いわゆる、「ぴんぴん、ころり」が私たち皆が望むところです。
そのために、予防医学という考えをみんなで浸透させていきましょう。
「医者は嫌いだ!俺は健康だ!」と言っている人がいたら、10年近く寝たきり期間を過ごしたいですか?と問いかけてみてください。
では今日も1日前向きに!!