52 コロナ禍の結婚式
沖縄の結婚式
先日、結婚式に出席するため、沖縄に行ってきました。
何しろ、1年半前、まだコロナが世界的に問題になる前に計画し、コロナ禍で2度の延期を余儀なくされた末にやっと実現した結婚式でした。
コロナ感染を心配し、台風を心配しながらの沖縄行でしたが、何とか行くことができました。
沖縄の結婚式というと、みなさんは、どういう結婚式を想像しますか?
私は「秘密のケンミンショー」で何度か見たことがあったのですが、
- 招待人数の平均は200〜300人
- ご祝儀は1人1万円で食事は大皿
- 食事はフルコースではなく大皿料理
- 新郎新婦の両親・親族が特等席
- 乾杯前からお酒がOK
- 幕上げはどこの披露宴でも必ず『かぎやで風』
- とにかく余興ではっちゃける! 特設ステージあり
- 最後の締めはやはり「カチャーシー」
※カチャーシー:テンポの速い沖縄民謡の演奏に合わせて踊られる、両手を頭上に挙げ、手首を回しながら左右に振る踊り。多くは演奏会や宴席のクライマックスとして踊られる。 沖縄方言の訛で「かき回し」という意味であり、頭上で手を左右に振るさまが、かき回すように見えるため呼び名がついた。三線の速弾きの沖縄民謡の「唐船ドーイ」が定番のようです。
① 沖縄では会社役員でも芸能人でもなく、本当に普通の一般人でも、200人〜300人の招待客なのです。
親戚の親戚、両親の職場の同僚や先輩、後輩、両親の習い事の仲間まで、会ったことない人まで呼んでしまいます。
「とにかく盛大に!お祝いごとだもの!」横のつながりが強い沖縄の、その精神がここまで大きな結婚式を行う所以になっているのでしょう。
沖縄では基本返信用は無く、口頭で参加・非参加を伝えることが多いです。
さらに、招待状を手渡しで行うことも。
近くに住んでいるのに、わざわざ郵送するより手渡しする方が早いという理由のようです。
また、参加しないけど、お祝儀をくださる方も多いようです。
② 一人あたりのご祝儀は「一万円」
相場はそうですが、新郎・新婦に相談することもあるようです。
結婚式の引き出物といえばバームクーヘン。
沖縄のバームクーヘンは、沖縄産の食材を使った「琉球」バームクーヘンです。
種類は、黒糖を使ったバームクーヘンや紅イモを使ったバームクーヘンなど。
定番のバームクーヘンと沖縄の特産品がうまく融合し、一味違った味わいを楽しむことができます。
③ 円卓のテーブルに大きな丸い台が真ん中についており、その上に大皿で料理が並べられています。
さながら中華料理のように、台を回して皆で食べますが、沖縄では中華料理のイメージというより、こちらが主流なのです。
④ 東京とは逆で、友人が一番後ろの席で、職場の同僚が中間、身内や親戚が一番前の席になるのです。
両親や親戚が一番前の、新郎・新婦に一番近い席にいるので、なんだか照れ臭くなってしまいますね。沖縄では、新郎・新婦だけでなく親族も一緒にお祝いされるからです。
そして、忘れてはいけないのが、初めにお話した、沖縄では結婚式に200人〜300人招待客を呼ぶということです。
つまり、一番後ろの友人は、前がほぼ見えなかったりします。
⑤ 飲み物に関しては、披露宴の前から振る舞われます。
そのため、披露宴が始まった時にはもう、ベロベロに酔っ払った人がちらほら……というのは珍しくありません。
⑥ 『かぎやで風』はお祝い事の一番初めに行われる、唄と踊りの古典舞踊のことです。
⑦ 沖縄式の結婚式では新郎・新婦の座るひな段の反対側に必ず舞台があります。
新郎新婦がそこから出てくるわけではなく、新郎新婦は普通に披露宴会場の扉から出てきます。
この舞台は、ゲストの方々が全力で余興を行う舞台なのです。
ここで、人々は思いっきり楽しんで余興が出来ます。
沖縄の人々は、披露宴を楽しむことこそが新郎新婦が喜んでくれると思っていますので、プログラムの中に組み込まれた余興の数も、一般的な結婚式の余興の数とは段違いです。
披露宴にもよりますが、一回の結婚式に8つや9つの余興が入ってくる場合もあります。
さらに、なんと新郎新婦がひな壇にいない間も、余興を行うのです。
それは結婚式に来てもらったゲストの方々に楽しんでもらいたいという気持ちからなのでしょうか。
⑧ 最後の締めはやはり「カチャーシー」。
カチャーシーとは、三線の音に合わせて手をひねって踊る独特なスタイルの踊りです。
カチャーシーの意味合いは「かき混ぜる」という意味があります。
そのため、喜びも悲しみもかき混ぜて、みんなで分かち合いましょう。という意味が込められているのです。
さらに、カチャーシーの最中に、気分が盛り上がると、胴上げが始まることもあるのだとか。
カジュアルな服装をしている方が多く、「かりゆしウェア」と呼ばれるアロハシャツに似た柄の服装で出席する人も最近では増えてきました。
ところが、今回はコロナ禍で、緊急事態宣言中ということで、時間は1時間半、お酒はなし、出席者は半分の160人くらい・・・と異例づくめでした。
結婚式は「仏前結婚」で、新郎は法衣と袈裟・新婦は白無垢に綿帽子で、ソーシャルディスタンスを取って親族だけで行いました。
東京からも親族含めて約20名が出席しました。
披露宴会場に入ると、まず驚いたのは、体育館ほどの大きさと両側にある舞台です。
また親族が上座でそれも両方の親族が同じテーブルに座ることにも驚きました。
披露宴は、会場いっぱいに写された沖縄らしいプロジェクトマッピングで始まり、新郎が東京の人、新婦が沖縄の人ということで、新郎が沖縄の人にサプライズ、最初の『かぎやで風』は新郎自ら三線を弾き、唄を唄い、新婦と新郎の兄妹が踊るという嗜好で始まりました。
新郎も新婦も沖縄の伝統的な染色技法のひとつである紅型で染められた「琉装」でした。
円卓の料理は大皿ではなく、コロナ禍なのでアクリル板で仕切られ、各自にお料理が振る舞われました。
コロナ禍とは言え、余興の多さにもびっくり。
また親戚が大人数なので、いくつもできる!と思いました。新郎、新婦が余興にも参加し、楽しんでいる様子がよくわかりました。
最後のカチャーシーができなかったことは残念でしたが、結婚式でのクラスターを回避するためには仕方のないことだと思いました。
また新郎・新婦の意向で、2次会もありませんでした。
また両親も楽しめるように、と最後に両親から皆様へ感謝のあいさつもなく、1時間半という短い時間が、3時間にも4時間にも思えた楽しい、披露宴でした。
東京でも昔は余興も多く、時間も長い結婚式が多かったのですが、今では少人数で、短時間でと言う結婚式が多くなったような気がします。
コロナ禍で楽しいことが少なかった毎日を吹き飛ばしてくれるような披露宴に出席で来たこと、本当にうれしかったです。
では今日も1日お元気で!!