23 がんという病気(3)
病人ではない人生を生きる
がんは病気ではありますが、病人になる必要はないのです。と前回(2)で書きましたが、これは大事なことです。
がんになった人に対して、
「意外とお元気そうですね」「お元気そうで良かった」と、まわりの方は本人を気遣っての言葉なのでしょうが、がん本人にとっては、全くありがたくない言葉です。
今や、がんは死を迎えるまで、元気で生着られる病気です。
病気ではあっても、ずっと病人でいるのではありません。
これが他の病気(たとえば慢性疾患など)と違うところです。
私は自分がステージ4の乳がんであることを忘れてしまうことがよくあります。
がんになられた方たちも、常に「私はがんだ!!」と思っているわけではないと思います。
そんな方に、「以外とお元気で良かった」なんて言葉をかけることが、本人にがんであることを思い出させる以上に、病人らしく生活しないといけないのか?と思わせ、本人を傷つけているのです。
最初は恐る恐る私と接していた人たちも、今では私ががんであることを忘れてくれています。それが今の私には、一番ありがたいことです。
病気になったら・・・
頭痛や腹痛など痛みがあったり、発熱したりすると、そのままでは人間は通常の生活はできないので、痛み止めや、解熱剤を服用して、症状を軽減させます。
では、なぜ痛みや、発熱が起きたのでしょうか?
これは、身体がこのままではダメですよ、少し休みなさい!という警告を発しているのです。身体の言う通りにすることが自然です。
痛み止めや解熱剤は、やむを得ない時は使ってもいいのですが、本来は、すぐに休養を取って自分の免疫力で元気を取り戻すことが大切です。薬の力を借りることは悪いことではありませんが、あくまでも治すのは自分自身です。
最近多いヘルペス(帯状疱疹)になる方が多くなっているように感じています。
ヘルペスは水疱(ムンプス)ウィルスによる病気です。
一度感染すると一生涯その宿主に潜んでしまい、抵抗力が低下した時に再発するという性格があります。なかなか早期に診断するのが難しいのですが、抗ウィルス薬を早目に服用することで治ります。
一生涯その宿主に潜んでいるので、免疫力が落ちれば何度でも再発します。これも前述したように、身体が警告しているのです。
免疫力が落ちているので、休養しなさいよ!と。
いくら薬を服用しても、治すのは自分自身の免疫力です。
休養の仕方にはいろいろあると思います。
睡眠・栄養を取る・リフレッシュするために行動する(スポーツや旅行)等。
私のお勧めは、まず睡眠です。
寝ることで、アタマも身体を同時に休ませることができます。
もし寝られなかったら、薬の力を借りてでも寝てほしいと思っています。良く寝れば、アタマも身体もすっきりするはずです。
栄養を取る、ですが、現代は栄養失調で倒れる人はめったにいませんので、1日くらい食べなくても大丈夫!!特に胃腸に症状が出ている人は、むしろ食事を取らないことで、胃腸を休ませることができます。
ただし水分は充分に取らなくてはいけません。
このように、病気の大小はあれ、病気になるということは、今までの生活を見直しなさい!!と警告されているのです。
うつ病の時にもお話したように、病気になるには原因が必ずあります。
この原因をしっかり分析して解決しない限りは、また病気になると思います。
がんも同じです。どこでどう、遺伝子の複製間違いが起きたのかはわかりませんが、遺伝性のがん【全体の約5~10%】を除いては、それまでの生き方や、生活様式に原因があると思った方がよいと思います。
病気になったのに、今まで通り、何も変えない生活は危険です。
むしろ、病気が自分に今までの間違った生き方を気付かせてくれたと、感謝しなくてはいけないと思います。
では、今日も1日前向きに!!