一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

22 東京というところ(5)

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昭和の三種の神器と言ったら、「テレビ」「冷蔵庫」「洗濯機」ですが、ここでは最後の洗濯機について話しましょう。

 

洗濯機

洗濯とは、布をこすったり叩いたりすることで布から汚れを浮かせ(分離し)る、または布地に石鹸を浸透させ汚れを落としやすくして、きれいにすることです。

昔は川や池や泉などで、もっぱら人の手や足で行っていたもので、かなり手間のかかる作業で重労働でした。

洗濯機は、そうした重労働を軽減する目的で開発され、家事労働の軽減に貢献してきたのです。

ヨーロッパでペストが流行した時は、殺菌の目的でかまどで熱湯の中に衣服を入れてかき回す、という危険な重労働を軽減するために電気で回す、電気洗濯機が登場することになりました。

 

日本では昭和3年に輸入販売を開始、1930年には現在の東芝にあたる芝浦製作所から攪拌式ソーラーAという名前で販売されました。価格は370円。

初任給が60~70円の時代ですからかなり高価ですね。その後、1953年に三洋電機から現在の洗濯機の原点とも言える噴流式洗濯機が低価格で発売され、一気に普及したようです。

1954年には脱水機付きの洗濯機が登場します。とはいっても電気の力で脱水をするのではなく2本のローラーに洗濯物を挟み込んでハンドルを回すことで脱水を行うものでした

 

siromonokaden.com

 

我が家にはこのハンドル式脱水機付き洗濯機がありました。

脱水は二つのローラー(各ローラーにはゴムが付いている)の間に洗濯した衣類を入れて、ハンドルでこのローラーを回すと脱水され、ぺっちゃんこになった衣類が出てくるというものです。

私は小さかったので、よく兄たちに腕を入れられ遊ばれた記憶があります。

それほど緩いローラーでした。

ゴムが硬くなり、脱水能力が落ちるという欠点がありましたが、ゴムを張り換えた記憶はないので、日々の入ったゴムで脱水していたのではないかと思います。

 

次に登場したのが、1960年に洗濯と脱水が一体化した2槽式洗濯機です。

2槽式の洗濯機は洗濯物を移す手間は掛かりますが洗濯と脱水が同時進行できて今でも使われています。

脱水漕に均等に衣類を入れて回す必要があり、偏っていると、洗濯機が揺れて故障の原因になりました。

1990年代に入って2槽式と全自動洗濯機は立場が逆転し、全自動洗濯機の時代へと突入しました。

 

女性の服装

大正時代、モボ・モガモダンボーイ・モダンガール)が流行り、洋装する人も多くなってはいたのですが、私の母たち(大正生まれ)は、一般には着物が主流でした。

戦時中は着物にもんぺ(元来は作業用に用いられたハカマの一種)が国民服として奨励されましたが、戦後はアメリカの影響下でアメリカナイズが始まり、和服は古い物というイメージが強くなり、若い世代は敬遠するようになって、洋服を着る人が増えました。

 

gendai.ismedia.jp

 

東京オリンピックまでは主婦は着物を着るのが一般的でした。その後の着物離れによって、着物は晴れの日(お正月や結婚式・卒業式・入学式など)に着るものとなり、その結果呉服屋さんが高価な着物を売るようになった事が、若い人の着物離れに拍車をかけたの出はないかと思います。

 

www.asahi.com

 

着物は体系や身長にとらわれず、その時代の誰も(今のように背が高く、手足の長い女性はあまりいなかった)が着られること、普段着は木綿のものでしたが、色とりどりの正絹の着物や大島、紬などとを組み合わせて外出を楽しむことができ、代々受け継がれる、日本古来の素晴らしい伝統衣装だと思いますので、若い方々にも今後受け継がれることを期待しております。

 

着物には袷(あわせ)と言って裏地のあるものと、単衣(ひとえ)と言って裏地のない物があります。

袷の着物は本来は10月~翌年の5月の、気温が~22℃くらいの時期に冬物の帯を締めて着られることが多いです。

基本的には長襦袢(ながじゅばん)は袷仕立てのものを着用します。

単衣は6月や9月のような季節の変わり目に切るのが一般的です。気温は22℃~28℃くらいので、帯は気温が高くなっている時期なら夏もの、気温が低ければ冬物と使い分けます。

真夏の暑い時期には、絹の絽(ろ)や紗(しゃ)を着ますが、生地が薄いので、中に長襦袢などを着て着物の形を整えたり、透けないように着物の柄や色を工夫します。

また、絽や紗、麻(ごわつくので帯に使用することが多い)などの透け感の強い、薄めの夏帯を合わせることで、涼しさを演出します。

 

kimono-beauty.com

 

私も今では着物で出かけることも少なくなりましたが、着物を着て帯を締めると、背筋がシャキッとするので、大好きです。

母や義母が遺してくれた着物を着る機会が増えることを楽しみにしています。

 

では、今日も前向きに!!