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〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

83 薬剤師あるある(16)

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副鼻腔炎

副鼻腔炎とは、副鼻腔に炎症が起こることを言います。

鼻づまり・鼻汁・頭痛・頭重感・臭覚障害などの症状があらわれ、蓄膿症とも呼ばれます。

副鼻腔炎は一般には命にかかわる疾患ではありませんが、集中力の低下などが起こり、日常生活に支障が起こることがあります。

 

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副鼻腔炎を繰り返す人がたまにいますが、そういう方に、鼻水が出ますか?と聞くと、ほとんどの人が出ません!と答えるのです。

ですが、鼻水は前から出るとは限らず、のどのほうに落ちたり、副鼻腔に溜まったりします。

 

副鼻腔には、前頭洞【両側の眉毛の上】・篩骨洞【小さな空洞が蜂の巣状にあつまったもの】・上顎洞【最も大きい空洞】・蝶形骨洞があり、これらの空洞は、自然口と言う小さな穴で鼻腔とつながっています。

鼻腔の中には粘膜から線毛(繊毛)が生えています。

 

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副鼻腔炎の原因

  • 感染:ウィルス・細菌・真菌感染

風邪(経鼻感染)をひいた後に発症することが多いが、上顎の奥歯の虫歯や歯根の治療で、口腔内の細菌が上顎洞に侵入することがある。

  • アレルギー:花粉症と合併していることもある。
  • 急激な気圧の変化

 

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副鼻腔炎には、急性と慢性があります。

 

急性副鼻腔炎:風邪やアレルギーによるものであれば、1か月以内に症状は消失し、治癒するもののことを言います。

慢性副鼻腔炎:炎症が持続したり、反復することによって3か月以上症状が続くものを言います。

 

原因には、

  • ウィルスや最近の際感染を繰り返す
  • 鼻腔内が狭い。鼻中隔湾曲症(鼻中隔がもともと、または後天的に曲がっている)
  • アレルギー体質。好酸球副鼻腔炎(非アトピー型喘息を合併していることが多い)
  • 大気汚染
  • 栄養のアンバランスが考えられます。

 

感染性副鼻腔炎:ウィルスや細菌感染が原因で、小児に多いが、近年減少してきている。

好酸球副鼻腔炎:原因は不明だが、特殊なアレルギーで、成人に多く、近年増加してきている。これは治りにくく、再発しやすく、鼻茸ができやすく、その数も多い。

 

急性副鼻腔炎

 鼻漏:鼻汁(鼻水)が鼻から外に流れることを言い、鼻汁は膿が混じって粘り気があり、色は黄色や緑色をしています。

・後鼻漏:鼻汁が鼻からのどへ流れることを言い、健康な人の場合でも気づかないうちに鼻汁はのどに流れますが、急性副鼻腔炎の場合は濃度の高い鼻汁なので、のどに引っかかるような感じがし、咳や痰が出ます。

・鼻閉:鼻詰まりのことを言い、嗅覚障害が起こることもあります。

 

症状は

顔面痛:副鼻腔の自然口が閉塞し、内圧が高まることで起こりますが、炎症部位によって痛みの現れ方は異なります。

そのほかに発熱・鼻出血があり、風邪が原因のことが多いので、全身倦怠感・頭痛があります。

 

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炎症部位で一番の部位が、上顎洞炎で、頬の痛み・頬が腫れて赤くなります。

2番が篩骨洞炎で、目の奥が痛くなります。

3番が前頭洞炎で、額のあたりが痛くなります。

めったに起こらない蝶形骨洞炎では、後頭部痛や頭頂部痛があります。

また、これらの痛みはうつむくと増強するのが特徴です。

 

慢性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎と同じように鼻漏・後鼻漏・鼻閉・嗅覚症状・頭痛・頭重感が現れますが、

鼻茸(腫れた粘膜がきのこのように飛び出す)ができるのが特徴で、これができると空気の通りがさらに悪くなり、鼻閉が悪化します。

 

感染性副鼻腔炎

好酸球副鼻腔炎がありますが、好酸球副鼻腔炎の特徴は、

  • 鼻茸が多い
  • 鼻汁がにかわ状の粘液性が強い
  • 鼻閉がひどく、嗅覚障害を伴います

 

このように慢性副鼻腔炎は治療に時間がかかり、不快感も長期間続くので、なるべく早いうちに治療することをお勧めします。

鼻茸はぜんそくの原因にもなることがあり、治療は感染性か好酸球性かによって使う薬剤も異なりますので、一刻も早く耳鼻科に行きましょう。

 

では明日も1日前向きに!!