77 薬剤師あるある(15)
めまい・耳鳴り
めまいとは?
自分自身または周囲が動いていないにもかかわらず、動いているという違和感を覚える状態のことを言います。
目が回る、目がくらむと言った症状は、多くの人が経験したことがあるでしょう。
めまいにはどんな原因があるのでしょうか?
・乗り物酔い・ストレス・睡眠不足
・耳の病気
・不整脈や全身の病気
・原因不明
めまいを自覚する人の数は年々増加傾向にあります。
男性より女性の方が多く、男性が高齢になるほど増えるのに対して、女性はどの年齢でも増えています。
では、身体のバランスを保つ仕組みとは?
・目からの情報・・・平衡感覚(水平や垂直の方向や自分がどのように動いているか)
・耳(内耳)からの情報・・・平衡感覚(身体の回転や傾き)
耳の構造と働き
耳の働きとは、身体のバランスを感じ取る働き(平衡感覚)と音を感じる働き(聴覚)
内耳の三半規管と前庭の耳石で平衡感覚をつかさどっています。
三半規管の中のリンパ液が動くことにより、感覚細胞を動かして頭や身体の動きの向きや速さを感じ取ることができます。
耳石器は頭や身体の傾きや重力のかかり方を感じる取る器官で、耳石が動くことにより、感覚細胞に伝わり、脳に伝わるのです。
三半規管や耳石器の情報は前庭神経によって脳に伝わり、音の情報は蝸牛神経によって脳に伝わり、全身に指令が行き渡ります。
めまいの種類
- 回転性めまい・・・内耳の障害が原因であることが多い
自分の周囲がグルグル回っているように感じる(周囲や天井が一定の方向に流れるように回って見える)
- 浮動性めまい・・・脳の障害が原因であることが多い
雲の上を歩いているようにフワフワと不安定に感じる(体が宙に浮いているような感じ。目の前の景色が揺れて見える)
- 平衡失調
歩いている時につまづきやすくなる。まっすぐに歩けず、ふらつく。
倒れそうになる。
- 立ちくらみ(眼前暗黒感)
立ち上がる目の前が暗くなる。クラクラして、意識が遠のく。
症状の起こり方は様々で多くの場合は突然起きるが、特定の体位・動作をしたときだけ起こる場合もあります。
少し休むと治まったり、一度治まっても何度も繰り返したり、何日も症状が続いたり、悪化していく場合もあります。
めまいの起こる仕組み
- 内耳の障害
「メニエール病」
激しい回転性のめまいや耳鳴りなどが起こり、その後も発作を何度も繰り返します。
内リンパ腫と言って、水ぶくれのような状態になります。
原因はストレスが多い。
頭を特定の位置に変えたときにめまいが起こります。
原因は三半規管の中に耳石が入りこむためです。
「突発性難聴」
突然、片側の耳が聞こえにくくなる病気で、めまいを伴うこともある。
はっきりした原因は不明だが、ウィルス感染・内耳の血流障害と言われている。
「外リンパ瘻」
内耳の外リンパ液が中耳に漏れ出し、めまいや難聴が突然起こる病気。
原因はせきやくしゃみ・鼻を強くかむ・ダイビングや登山と考えられている。
そのほか、内耳炎・聴神経腫瘍・ラムゼイ・ハント症候群(耳性帯状疱疹)があります。
- 前庭神経の障害
「前庭神経炎」
前庭神経に炎症が起こり、起き上がれないほどの激しいめまいが現れます。
原因はウィルス感染によって起こると考えられています。
- 脳の障害
「脳血管障害」や「脳腫瘍」は命にかかわる病気なので、要注意!!
手足や口がしびれる・ろれつが回らない・物が二重に見える・意識が薄れる・激しい頭痛は脳の障害からくる神経症状なので、急いで脳神経外科や神経外科に行ってください。
椎骨動脈や脳底動脈の血流循環が悪くなり、一過性脳虚血発作(TIA)の一種でめまいや手足のしびれが現れる病気です。
- その他の病気
頸性めまい・・・首を動かしたときにめまいが起こる(変形性頸椎症・むち打ち症)
自律神経失調症・・・起立性低血圧・起立性調節障害(学童期~思春期の子どもに多い)
更年期障害・・・40歳代後半~50歳代前半の女性に多い
糖尿病・高血圧/低血圧・不整脈・脂質代謝異常/動脈硬化・貧血・肩こりなど
このように、様々な病気が原因となってめまいが起こります。
「首」がめまいと深い関係があると言われています。
また、薬の副作用にめまいもありますので、おかしいなと思ったときは医師や薬剤師に相談してください。
ストレス・不規則な生活リズム・疲労や睡眠不足・度数の合わない眼鏡やコンタクトが原因と言われています。
めまいの問題点は、日常生活に支障をきたすこと、転倒のきっかけとなることです。
早くめまいの原因を調べて、治療することが大切です。
では今日も1日前向きに!!