一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

73 薬剤師あるある(14)

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コミュニケーションスキル

薬局にいらっしゃる患者さんは、病気を抱えている方ばかりです。

普通のお店とは違って、買い物に来る方ではないので、楽しい顔をして入っていらっしゃる方は皆無と言っていいと思います。

 

薬局に入るまでにどんな思いでいらっしゃるのかは、話を伺ってみないとわかりません。

 

・お医者さんとの会話がどうだったのか?もしかしたら悲しい気持ちで来局しているのか?

・今すぐ服用したい薬があるのか?具合がすごく悪いのか?

・薬がないと断られ、薬局を転々としているのか?

・子どものお迎えが迫っていて焦っているのか?

・本人が来局できず、代理で取りにきているのか?

 

などと処方箋を受ける私たち薬剤師はいろいろ考えながら対応しています。

 

前にたくさん患者さんがいる場合は、自分の順番が来るまでにどのくらい時間がかかるかを必ずお伝えします。

今すぐ用意できる薬なのかどうかも素早く答える努力をしています。全部はご用意できなくても、今ある分だけお持ち帰りいただき、どのくらいで不足分が用意できるのかをなるべく早く、正確に答えるようにしています。

何かご用事があって焦っている方には、後で再度来局してもらうようにお伝えしています。

具合の悪い方や、すぐに服用したい方は、優先するよう努力しています。

 

こういう患者さんと会話するときには、ある程度の(高度の)コミュニケーションスキルがないといけないと常に思っています。

相手を傷つけないのはもちろん、相手が答えられない話を引き出さなくてはならない技術も必要です。

誰もが自分のいいたいことを全て言えるわけではないからです。

 

特に病気のことになると、話せないこともたくさんあります。

処方箋に何の問題もなければ、私たちも何とか対処できるのですが・・・。

 

処方箋の問題とは?

 

  • 用量・用法の間違い又は確認
  • 併用薬が先生のほうに伝わっていない場合
  • 薬品の安全性・有効性を考慮すると調剤に問題がある場合

 

こういう場合は、病院や医院に電話をして、先生と直接お話する必要があります。

それを疑義照会と言います。

 

この頃はどんな大きな病院でも、必ず先生と直接お話しできるようになっています。

先生はお忙しい中、わざわざ私たちの電話に出てくださるのですから、私たち薬剤師は、要点を最小で簡潔に話さなくてはなりません。

 

コミュニケーションスキルは当然高度になってきます。

 

先生方には、処方箋の問題点が、用法・用量やその確認だけならまだいいのですが、薬の変更や併用薬との関係をお話するときは、問題点と同時に、変更の提案もしなければならないので、電話するまでに時間がかかります。

 

患者さんにはどういうわけで調剤が完結するまでに時間がかかるのかを説明し、その上、先生に問題点や提案をするときの簡潔な文章を作らなければなりません。何しろ時間は最小限でしなければならないのです。そこで必要になるのは、論理的コミュニケーションです。

 

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www.hri-japan.co.jp

 

www.missiondrivenbrand.jp

 

ピラミッドのようにピラミッドの下から問題点を徐々にまとめてピラミッドの頂点に結論を明確化しなくてはなりません。

そして先生にお話させていただくときは、ピラミッドの頂点の結論を先に、理由はピラミッドの下に向かって話します。

 

コミュニケーションで一番大事なのは、相手に「分かった!!」と思ってもらえることです。

 

なかなかこちらの言うことがわかってもらえないことがたくさんありますが、「分かった!!」と思ってもらえないときは、必ずこちら側に問題があると思っています。

 

皆様に「分かった!!」と思って頂ける様、日々努力していくつもりです。

 

薬剤師は「短距離ランナー」とよく言われますが、まさに処方箋をいただいた時からなるべく短時間に、納得いただける結果が出せるよう頑張っています。

 

では今日も1日前向きに!!