一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

14 人生思い通りにいかないもの

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失恋したり、仕事に失敗してしまうことは、みんなが経験することですが、人生は思い通りに行かないことばかりです。

思い通りに行っているように見える人も、実は悩んでいるのです。

 

私の子どものころは、思い通りに行かないことが多すぎて、何とか知恵を絞りだしたり、何とか便利にならないものかと研究することで科学が進歩してきました。

 

ところが、現代では思う通りに行ってしまうこと(蛇口をひねればお湯が出る、整形すれば美人になれる、乗り物に乗れば、あっという間にどこにでも行ける・・・)が多くなり、みんなの欲は、どんどん、どんどん大きくなっています。

これは人間が生きている限り終わりがないのです。

いつの世も思い通りに行かないのです。

 

人間は年を取るし、死んでいくのです。

もし年を取らない、絶対に死なない(不老不死)・・・なんてことが可能になったら、どうなるのでしょうか?

なぜ、不老不死ではいけないのでしょうか?

これは大きな問題です。

 

科学は進歩し続けるものではあるけれど、それをより良く使うのか、誰かを苦しめるために使うのかは、私たちの判断に委ねられています。

正しい判断ができる人類でいてほしいと願っています。

 

なぜ不老不死ではダメなのか?

私は64歳の時に乳がんステージ4と診断されました。

その時、死ぬまで生きられるんだ!

という言葉が自然に頭をよぎりました。

そして私の生きられる時間はもうあまりない、だからいつ死んでもいいように、1日1日を大切に生きよう!とエネルギーがみなぎるのを感じたことは、自分でも予想だにしていませんでした。

 

死ぬまで生きられるんだ!

は当たり前といえば当たり前ですが、こんな言葉が心の底から出てくる経験したことありますか?

私は今まで、人間は絶対に死ぬんだから、どう生きるかを考えよう、と思っていました。

でも、いつまで生きるかわからないのにどう考えればいいの?という疑問がありました。

ところが、ゴールを突き付けられて初めて、生きるためのエネルギーがみなぎる気がしたのです。

どう生きるか?一生懸命生きればいい!!

 

お釈迦さまは亡くなる前に修行者たちに言った言葉があります。

 

「私もまた同じように死が近く、そろそろ死んでいくだろう。しかし死は決して悲しみだけではない。死ぬからこそ今を懸命に生きなさい」

 

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死はむなしさではなく、今を懸命に生きるエネルギーなのだと説いてくれています。

 

では、もし死なないとすると、毎日一生懸命生きることはなく、夢ややりたいことがあったとしても、いますべきことではなくなります。

 

今のこの一瞬を懸命に生きることが、不老不死によってできなくなるのです。

 

想像してみてください。

死なない・・・ということが本当に価値のあることだと思いますか?

一生懸命生きて、命を全うすることと、死なないこと、どちらがむなしくつらいことでしょうか?

死は必然、生は偶然です。今自分が生きていることと、人が死ぬこと、どちらが不思議でしょう。

 

私は、今、生きていること、生かされていることに感謝しています。

 

では、今日も前向きに!!

 

不老不死、お釈迦さま、涅槃、ゴータマ・シッタルダ、仏教、生きること、