13 うつになる前に(2)
うつ症状を感じたら
大事なことは、まず予防することだと言いましたが、もしなってしまったら、うつ症状に早く気付くことが大切です。
症状が悪化すると自分ではどうにもできない状態になってしまうので、軽いうちに自分で感じることです。
自分で感じることができないなら、他人から指摘されることに耳を傾けましょう。
早いうちなら、休養を取る、睡眠をとる、医者に診てもらうこともできます。
薬を処方されたのなら、早く薬の力を借りてでも回復することが大切です。
早ければ早いほど、効果が早く出ます。
ここで問題は、薬の力を借りた場合、薬をやめる方法です。
最初にうつ病は神経伝達物質が減少するために発症すると話しましたが、受け取る側の受容体の状態は、受けるものがなくなるのですから、休んでしまっています。
つまり、ピッチャーが球を投げなければ、キャッチャーは受け取る必要がないので寝てしまってもいいわけです。
薬はこのピッチャーやキャッチャーを正常に働かせるために使います。ところが、無理して働かされているわけですから、急に薬を中止したらどんなことが起こるでしょう?
そう、今までお尻をたたかれていた子供がもうお尻をたたかれなくなるのですから、油断して休養を取るでしょうね。
そうなると元の木阿弥、また伝達物質の受け渡しがうまくいかなくなるわけです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
運動選手の練習後のクールダウンを思い浮かべてください。
きつい運動を急に止めると、身体はどう回復させてよいか迷ってしまいますね。
これと同じで、薬でお尻をたたかれている状態から、薬の量を少しずつ減らしていくことで
たたく手の強さを徐々に弱くしていくのです。
人によっては、徐々にたたく手を弱くしているのに、もういいや!と思って休んでしまうかもしれませんので、この手の強弱【薬の減増】はとても難しいです。
あせらずに自分に合った薬の減らし方をドクターや薬剤師に相談しながら、自分の身体と相談しながら進めていくことが大事です。
薬を服用すると治った気になってしまうので、急に止めて、返って前よりも悪くなる人が多いように感じています。
薬は使いようで、良くも悪くもなります。
正しい知識を持って上手に使いましょう。
うつ病も若者が発症するのと、ある程度経験を積んだ年齢で発症するのとでは、ストレスの原因や質も強さも違いますので、今まで述べてきたことが必ずしも当てはまらないでしょうが、良い状態になるまでには相当な時間もかかりますし、社会復帰するためには、いろいろなトレーニングが必要となってきますので、なるべく軽いうちに治すことが大事です。
では、今日も前向きに!!