一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

11 科学の進歩とは?

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よりよい暮らしのために

私が子供だった頃、大人たちは輝いていた!という話をしましたが、大人たちには、私たち子どもたちの未来のよりよい暮らしのためにという目的がありました。

 

あの頃では考えられなかったインターネットや携帯電話を、今では当たり前のように使っているし、なくなったら生活できなくなる!というところまで、人類は文明を進歩させてきました。

 

文明はよりよい暮らしのために進歩してきたことは誰も否定できないでしょう。

 

では、私たちは以前と比較してより幸せになりましたか?

 

答えはNOです。

 

インターネットや携帯のなかったあの頃、家族みんなで食事をし、会話が絶えなかった。

街の人々は生き生きと働き、みんなキラキラしていた。

今よりずっと文明は進んでいなかったけど、とても幸せだった!!

 

よりよい生活のためにしてきたことが、なぜこんな状態になってしまったのでしょうか?

 

現代は精神的貧困としか言えない状況です。

文明の進歩によって人々の不平不満は解消されましたか?

文明は不平不満や欲望があるから進化し続けているのだと思いますが、人間の不平不満や欲望はとどまることを知らず、心は焦るばかりで、安らぎどころか、不安な日々を過ごしているのではないでしょうか?

 

 文明の進化

人類は不平不満や欲望が常にある生き物です。

昔から不安や恐怖から逃れるために、心の安らぎを求めていろいろなことをしてきました。

例えば、日照りが続けば、雨ごい(雨は神からの贈り物なので、雨の神様に祈り続ける)をしたり、豊作を願って天照大神にお供えしたり、などなど。

 

ところが、文明が進化してくると、雨雲レーダーを見れば、いつどのくらい雨が降るのかがわかるし、豊作にするために品種改良を繰り返し試みたり、肥料改良することができるようになりました。

そしてついには原子爆弾を作り、日本がその被害国となり、原子力発電所は、東北大震災で大きな恐怖を私たちに与えました。

 

文明は先の見えないままどんどん進化していいのでしょうか?

その先には私たちのよりよい生活や心の安らぎはあるのでしょうか?

誰がこの方向づけをしてくれるのでしょうか?

 

文明の進化と人類の幸せは、今や別次元のことになってしまいました。

文明が進めば進むほど、人類の幸せは遠のいて行くようです。

 

心の安らぎ

 昔は神様、仏様が心の安らぎをもたらしてくれて、人々は一心不乱にすがりついたのですが、

文明が進化した今となっては、だいたいのことが説明できるようになり、病気でさえ、治療が充実して、神仏にすがりつかなくても治る時代になってきました。

 

なのに、なぜ精神的貧困の時代になったのでしょうか?

みんななぜか不安で焦っているように見えます。

精神的に不安定な人が増え、薬を服用している人が増えている現実があります。

 

人間の欲望はとどまるところを知らないのです。

そして欲望を満たしても、満たしても、思い通りにならないで苦しむのです。

だから、その苦しみを解消したいのですが、それは自分の外側にあるものでは解消されないことを知るのです。

結局、心の安らぎは、なにかや誰かに頼るのではなく、自分の中にあるのです。

 

お釈迦さまは「自己の依り所は自己のみなり」と言っています。

 

前々回のブログで、うつ病の治療のひとつに認知療法があることをお伝えしましたが、

それは自分で自分の認知のゆがみを理解することから始まります。

 

それと同じです。

 

なぜ自分が不安なのか、なぜ焦りを感じるのか?

をもっと深く考えることです。

皆さんは自分【自己】をどこまで知っていますか?

私は自分を信じられません。というのは、どんな状況でも同じ行動がとれるかどうかわからないからです。

もし今、無一文になったら、他人のものを盗むかもしれません。

 

自己を知ることは本当に大変なことです。でも、自己を救うのも自己だけなのです。

 

「自己の依り所は自己のみなり」と説いたお釈迦さまから始まった仏教も、いつしか姿を変えてしまいました。

人類が本当の幸せを求めない限り、宗教もまた衰退していくのかもしれません。

 

今だからこそ

皆さんは周りの人の言動や行動に左右されていませんか?

もし左右されているなら、何事にも動じない安定した精神を持つために、自己をしっかり見つめなおして、自己を知る努力をしてください。自分の本当の幸せを求めてください。

  

では、今日も前向きに!!