一寸先はヤミがいい

〜薬剤師ガンサバイバー 今日も前向きに〜

4 左乳房全摘出手術

f:id:aoi_fukurou:20210223105345j:plain

私 「もちろん全部摘出してください!」

主治医 「あなたの場合は左乳房が全部なくなるけど……。それでいいですか?」

    「乳房再建※もできますが、再建したい場合は、手術前に決めてください。」

私 「良いです!何しろ全部取ってください!乳房再建はしません!」

 

※乳房再建の時期には2つのパターンがあります。

切除術と同時に乳房の再建を行う即時再建と切除術後に行う2期再建ですが、即時再建が推奨されていますので、なるべく手術前に決めることをお勧めします。

 

即時再建とは、乳房切除と同時に組織拡張器(エキスパンダー)を挿入するものです。

その後、乳房の大きさにより、3ヶ月から半年くらいの間、月に1度程度の外来で、エキスパンダーに生理食塩水を注入していきます。

エキスパンダーを入れた胸が反対側の乳房より充分に大きくなったら、シリコンインプラントに入れ替えるか、自家組織を挿入するかを決めます。

 

2020/5/21左乳房全摘出手術をしました。

 

結局2種類の細胞障害性抗がん剤では乳房のがん細胞はあまり小さくなりませんでした。

術後の排液がなかなか止まらず、ドレーンはなかなか外せませんでした。

手術が上手だった?からか、左手は難なく上まで上げることができました。

リンパ節をごっそり除去したことと、神経をいくつか切ったので、左手が浮腫むかも?と言われましたが、浮腫むこともなく問題なかったので、最後は排液が出ないように腹帯ならぬ胸帯(お祭りの時女性が胸に巻くさらし)をきつく巻いて、入院11日目に退院しました。

 

きつかった抗がん剤は乳房にはあまり効かなかったけど、転移した椎体のがん細胞には効いたらしく、その後歩けるようになったので、大変だったけど、やってよかったと思いました。

 

退院して1ヶ月後の7月3日に除去した乳癌の細胞診の結果が出ました。

ホルモン受容体陽性かつHER2陽性 2+※でした。

 

※HER2

がん細胞の増殖に関係するタンパクです。がん細胞にHER2を作る働きがある「HER2遺伝子」が過剰で、がん細胞の表面にHER2が大量にある場合「HER2陽性」と呼ばれます。

「HER2陽性」は、「HER2陰性」と比べると増殖する力が強いことがわかっています。

 

今後の治療方針

① 抗女性ホルモン剤(アリミデックス:アナストロゾール)を毎日1錠服用。

② HER2の分子標的薬(パージェタ&ハーセプチン)の3週間に1回点滴。1年間

③ 乳房リンパに毎日(土日を除く週5日)少量の放射線を照射する。24回 

 

① 抗女性ホルモン剤(アリミデックス:アナストロゾール)

すぐに毎日1錠服用開始しました。

 

副作用の手の強張り、関節痛はすぐに現れました。ひどい人は親指の内側に痛み止めの注射をするらしいのですが、幸い私はひどくならず軽度に続いています。

 

② 分子標的薬(パージェタ&ハーセプチン)の投与開始

7月22日に1泊入院で開始。

 

分子標的薬は、ほとんど副作用なし。最初2回行った、細胞障害性抗がん剤のように白血球数が減少することもなく、ムカムカすることもありませんでした。

足のむくみと痺れは続いていたのでよくわかりませが、2年経てみると、不思議に軽減してきているので、この分子標的薬の副作用ではないと思います。

心臓への負担があるとのことでしたが、定期的な心エコー検査では異常はありませんでした。

 

その後問題なく1年経過しましましたが、この抗がん剤がどう効いているのか、乳房は切除したし、肺の転移も除去してしまったし、骨の中にがん細胞があるかどうかを検査することができないとのことで、中止して良いのかどうか迷いました。

 

主治医 「分子標的薬は目標の1年が経過しました。腫瘍マーカーも正常範囲内(CEA:2.5、CA15-3:11)に低下しているので、中止しても良いと思うのですが、どうしますか?」

 

乳がん腫瘍マーカー

乳がんでは早期発見に有用な腫瘍マーカーはなく、術後の経過観察における再発

モニタリングとして利用されています。なかでもCEACA15-3の組合せが多く測定

されています。基準値はCEA(5.0以下)CA15-3(25以下)

 

私 「副作用もほとんどなく辛くないので、もう少し続けてみたいと思いますが、続けることのリスクは何がありますか?」

主治医 「3週間ごとに通院しなければならないこと、お金がかかること、心臓に少なからず負担があることですね。

私 「通院は負担に感じていませんし、治療費用も月4万で支払い続けることができる金額

です。今のところ心臓への負担もないようですので、もう少し続けさせてください。」

主治医 「副作用さえなければ、いつまでも続けても良いのですが、いつまで続ければよいのか?というエビデンスがないので、やめ時が難しいんですよね。幸い、今の薬が効いているので、いったん中止して、何か症状なり検査結果が悪くなってから、また同じ分子標的薬を投与することもできますよ。」

私 「中止したら、がん細胞が増殖するような気がして・・・。今まで最長でどのくらい続けた

人がいますか?」

主治医 「2年続けた人がいます。」

 

というわけで、心臓への負担状況を観察しながら、CTで骨の状態も見ながら続けることにしました。

 

放射線照射(平日週5日で24回)

ステージ4なので、手術・放射線をしてもしなくても5年生存率には変わりがないのですが、

後悔しないようやるべきことだけはしたいと思いました。

 

放射線照射のために8/5〜9/9まで平日だけ毎日通いました。

毎朝仕事前に通院していましたが、夏の猛暑中、途中で疲れ、夜はよく寝るようにしていました。

放射線照射で免疫力が低下するのではなく、毎日通院という過酷さで低下するのではないかと思います。

 

今日も1日前向きに!!